Dentalism 26号
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――問題を見つけ、すぐに相談できる人に情報を繋ぎ、解決の手立てをとり、仕組みにする。なかなか簡単には出来ないことだと思います。荒金 僕は調整をしただけで、やりたい人や意欲のある人はいっぱいいます。歯科の先生も、薬剤師さんも、医師とどうつながればいいかが解らない。様々な会議が開催されましたが、こういう話は会議室で決まることがないです。一回、乾杯しなきゃいけない(笑) 京都市南区、下京区では毎月のように医科歯科介護職が集まり、定期的に飲み会が開催され、こうした課題を話し合われていました。そこで、山科区でも開催し、みんなで乾杯して、そこからはあっという間でしたよ。Special Interviewお医者さんの話を聞いてみよう!――もう一つ「京滋摂食・嚥下を考える会」において特筆すべきは、プロジェクトの多彩さです。「嚥下食プロジェクト」では京料理や京和菓子、お茶や日本酒まで裾野を広げています。荒金 そもそも嚥下調整食って見た目も香りも、まずいよね、というところから話は始まりました。ちょうど『ミシュランガイド 京都』が初めて出た頃だったのですが、これまた飲んでる席で、そうだミシュランの星をとるような京都の料亭の料理人に協力してもらおう、というような話が出るわけですよ(笑)○○先生なら行くことあるんじゃないかとか、いろいろな作戦案が飛び交う中、「日本料理アカデミー」という存在を知ることになるわけです。京都の老舗料亭の多くが参加し小学校で出汁の文化について教えたり、世界に向けて日本料理をPRし、世界遺産とするなど活発な活動をしていました。京都独特の高い壁を乗り越え、私どものプロジェクトへの協力が頂けることになりました。 病院のお茶はそれでなくてもまずいのに、それにとろみをつけると一層、「飲みにくい」ものになってしまいます。そこで美味しいとろみ茶をつくろうと、医師ならではのここでは申し上げにくいルートを使って、京都の老舗茶舗福寿園にご協力いただき、「京のお茶のプロジェクト」も始まりました。 もちろん失敗もありますよ。京都には一見さんお断りの文化があり、なかなか正面から申し入れても難しく、様々な人脈をつくりながら信用を得て進めることが大事でした。 世間では、京都の伝統職人というと敷居が高そうとか、壮大な雲の上感があると思うかも知れませんが、中に入ってしまうとその見方は大きく変わりました。東京や大阪と違い、京都はコンパクトな町にたくさんの職人がいます。京都は自転車で走り回れる距離感ですから、「日本料理アカデミー」と一緒にやっている事業も業界にすぐに知れ渡ります。和菓子屋さんに話をしたときも、「アカデミーさんでやってるアレでしょ?」という感じで話が早かった。ちょっとしたきっかけなんですよね。今では「やらせて欲しい」と手を挙げてきて下さる人もいます。私どものマンパワーが足りなくて、全てには対応出来ていませんけどね。――「介護食器プロジェクト」では、京焼・清水焼や京漆器を使い、嚥下食で料亭の味を楽しんでいただく挑戦もされたとか。荒金 「日本料理アカデミー」さんのおかげで、料理は料亭で出せるほどの美味しく、見栄えの良いラインナップになったのですが、それを彩る介護食器がありませんでした。そこで京都の伝統職人と介護食器の制作も始めました。嚥下食というと病院食と思っている人も多い。そこで介護食器ができた完成披露を兼ねて、在宅で療養しているご家族を何組か招き、料亭南区、下京区で開催されている多職種による”飲み会 ” Dentalism 26 SPRING 2017 20

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