Dentalism 25号
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図6図5図7図8図9図10みを最小に抑え、ロングスパンの修復物で高い適合精度を得るのに役立つ。最後にミリングデータの計算プログラムを実行したが、終了までの所要時間は3分未満であった。 その後、ミリング作業を開始した。このプロセスは、5軸制御で8枚のディスクチェンジャーを装備したZenotec select S2ミリングユニットで行った。咬合面、口蓋面、切縁の優れたミリング結果から、このユニットが完璧な作業精度を持つことが判明した(図5)。■フレームワークのカスタマイズ ミリングが完了したところで、フレームワークと焼結支持構造をディスクから分離した。次に、着色液を用いて浸透着色法により未焼結のブリッジをカスタマイズした。Zenostar Color Zr着色液シリーズはA-Dシェードガイドの標準的なシェードがそろっているので、この目的に最適である。さらに5種類のエフェクトシェードも利用できる。Zenostar Color ZrのシェードA2およびA3と灰紫色のエフェクトシェードを用いた。 各着色液の浸透が視覚的に分かるように、無色に近い着色液にビジュアライザー(指示薬、Zenostar VisualiZr)を加えた。まずクラウンの内側面と基底面に浸透させ、次に歯頸部辺縁の約1mm部分、フィッシャー部、口蓋面の中央部に浸透させた。これらの面の浸透着色は全てZenostar Color Zr A3とZenostar VisualiZr黄色の混合液を用いた(図6)。その後、デンチン部分の切縁側3分の1までをシェードA2とVisualiZr赤色の混合液で浸透着色した。 前歯の切縁部および臼歯の咬頭は、灰紫色エフェクトシェード希釈液にZenotec Color OptimizerとVisualiZr青色の混合液を併用してカスタマイズした(図7)。各シェードに別々のブラシを用いることが重要である。2時間乾燥させた後に、フレームワークをProgramat S1で焼結した。 焼結処理後の修復物は優れた適合精度を示し、研磨による調整(例えば、クラウンの内面など)は全く必要なかった。半透明酸化ジルコニウムの利点はこの段階で明らかになった。着色液のおかげで歯頸部とデンチン部分の審美性が高まった。切縁部は半透明でやや灰色がかった光沢を帯びていた。これでその後のレイヤリング処理が容易になったはずである(図8にスムーズなシェードの変化を示す)。 図9のシミュレーションは、不透明の白色酸化ジルコニウムをフレームワークに用いていたら、目的のシェードを得るのがいかに困難だったかを示している。酸化ジルコニウムの半透明性(透光性)が高いにもかかわらず、チタン製アバットメントはフレームワークに透けて見えなかった。■フレームワークの個別調整 修復物が理想的な光学特性を示さないと、最適な審美性は得られない。満足な審美性を得るのに不可欠な要素は、抑えた明度、適切な彩度と透光性、最小に抑えた光の反射である。これらのパラメーターに不備があれば、修復物にセラミックベニアを施しても決して満足な結果は得られない。模型ではよく見えても、口腔内では明る過ぎる修復物にしかならないだろう。 焼結前の酸化ジルコニウムのステイニングが、光の反射を調節する最初の手段になる。2番目の手段はライナー装着である。今回のブリッジはIPS e.max Ceramでベニアを施した。フレームワークはすでに満足な基本シェードを得ていたの焼結前のフレームワークの高精度ミリング結果。辺縁(切縁、咬合面)の精度が高いクラウン内側面と基底面のシェーディング焼結前にカスタマイズしたフレームワーク焼結後の色の変化がスムーズで、ブリッジの仕上げに理想的な基本シェードになっている白色の不透明酸化ジルコニウム(トップマージンへの重ね合わせによるシミュレーション)とZenostar Zrフレームワークの比較ライナーおよびファンデーション焼成の後…… Dentalism 25 WINTER 2016 28

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