Dentalism 25号
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27 Dentalism 25 WINTER 2016トのショルダーラインに印を付け、セメントギャップの厚さを決定した。 ショルダーラインは修復物の〝プレパレーションマージン〞を表す。本症例では、セメントギャップを0.2 mm、セメントスペースを0.4 mmに設定した。辺縁部のセメントギャップの厚さは0.1 mmに設定した。われわれの経験では、これらの設定により模型および患者の口腔における修復物の適合精度が高まり、後で調整する必要がなくなる。最後に、各設計パラメーターを照合して修復物の設計を再点検した。壁厚が最小許容値より小さい場合は、ソフトウエアが警告を発して自動補正ステップを起動させる。 最終修復物はフルカントゥアの長期暫間修復物をベースに設計した。シッククラウンのフレームワークを1万8000〜2万の座標(要素)に分割し、調和の取れた表面性状と完璧な辺縁封鎖性をもたらしている。完成したデザインをCAMユニットに転送した。 われわれが用いているのはV3 CAMバージョンで、多様な出力フォーマットの選択肢を備えている。われわれが優先的に用いるのはZenocam 3.2フォーマットである。これはオープンSTLフォーマットとは対照的に、指定したセメントギャップ、インプラント軸、修復物の辺縁に関する情報が得られるからである。CAMソフトウエアがこの情報を用い、修復物の各領域を識別してミリングパラメーターを計算する。例えば、修復物辺縁のミリング時には速度と切り込み・送り量を落とし、薄いクラウン辺縁の損傷・破折を防ぐ。その結果、厚さが0.1 mmしかない非常に薄い歯頸部辺縁でも確実なミリングが可能で、焼結処理後の修正がほとんど必要ない。損傷しにくい部分ではユニットがミリング速度を上げる。 出力フォーマットの入力後に、ブリッジ作製方法として2.5 mm、1.0 mm、0.7 mmのバーを用いるミリング方式を選択した。0.3 mmバーは今回の修復13〜23番のフルカントゥアは、パーシャルベニア用のスペースを作るために前庭側を0.9 mmカットした(図3a・図3b)。 切縁部は多数の機能的な動きが発生するので、フルカントゥアをそのまま用いた。臼歯のフルカントゥア形態と前歯の口蓋面は、最終修復物に最高レベルの強度を確保するために変更しなかった。アバットメントが透けるリスクがあったため、半透明の酸化ジルコニウムを用いることにした。レイヤーの厚さはアバットメントを隠すのに十分であると思われた。■ミリング 完成したCADデザインはベー科技工所では、模型と歯肉マスクを準備してスキャンを行った。まず、作業模型と暫間ブリッジを合わせてデジタル化した。次に、模型にアバットメント、対合歯模型、バイトレジストレーションを合わせてスキャンした。最後に、アバットメントのショルダー部が歯肉縁下に位置するため、模型のスキャンのみでは正確に把握できないので、アバットメントを1本ずつスキャンした。(図2a・図2b)。■CAD製作 まず、アバットメントの平行な軸面方向に従って、デザインソフトウエアでデジタル化した模型のポジションを決定した。次に、アバットメンには必要なかったので選択しなかった。次に、仮想Zenostarブランクにジョブを配置した(図4)。14〜16番と24〜26番の臼歯をモノリシック酸化ジルコニウムで修復する予定だったので、シェードT Sunであらかじめ着色された半透明Zenostar T酸化ジルコニウムディスクを用いることにした。このディスクの暖かな赤みを帯びたシェード(色調)は、選択した歯のシェードとよく合っていてA-Dシェードを効率的に再現でき、再現性も高かった。 修復物をProgramat S1炉内に直立させた状態で焼結できるようにするため、焼結支持構造を設計した。焼結フレームは焼結時の歪暫間修復物(a)とアバットメント(b)のデジタル化模型まず修復物をフルカントゥアで設計し(a)、次に目に見える審美領域をカットバックした(b)CAMソフトウエアにおけるブリッジフレームワークのネスティング図2a図3a図2b図3b図4

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