Dentalism 25号
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インプラント歯科学と歯科CAD/CAM技術の併用による固定式審美修復 Dental Tribune International(本社:ドイツ・ライプチヒ)は、2003年に月刊紙Dental Tribuneを創刊した出版社としてスタート。その後、新聞、雑誌などのプリントメディアに加えてデジタルメディアも発行。現在、130種を上回るプリントメディアとウェブメディアは世界90か国、30言語で、65万人の歯科医に読まれています。「CAD/CAM」はDental Tribune International発行の歯科用デジタル技術専門誌。CAD/CAM(2016; 2: 20-24)───────────────────────────────────────────────────────────────────────────Dr Dario Žujic, DT Velimir Žujic, Croatia & DT Dragan Stolica, Slovenia───────────────────────────────────────────────────────────────────────────翻訳/株式会社メディカルトリビューン フルアーチインプラント支持による上部構造には、さまざまな方式がある。患者は骨質やインプラントの本数に応じて、固定式または可撤式のインプラント修復を受ける。固定式補綴物の場合、上部構造は臨床状況に応じてセメント固定またはインプラントフィクスチャーへの直接スクリュー固定となる。 本稿の症例では、セメント固定の酸化ジルコニウムブリッジを選択した。臼歯部にジルコニアのみでクラウンを作製するモノリシッククラウンを用い、前歯部のクラウンはカットバックおよびベニアを施した。フレームワークには半透明の酸化ジルコニウム(Zenostar T,Wieland Dental社)を用い、前歯部のベニアリングにはIPS e.max Ceramを用いた。これらの材料により、目的とする強度と審美性を確保することができた。 この女性患者は、来院時には上顎に従来の総義歯を装着しており、見た目の美しさ、機能性、義歯の外れやすさに不満を抱いていた。デジタルボリューム断層撮影(DVT)で口腔状態を評価し、インプラントを固定できる十分な骨量があることを確認した。 4本のインプラント埋入で可撤式義歯を十分に安定させることができると思われたが、患者は固定式のオールセラミック修復を希望した。患者とともに治療選択肢を検討した結果、“All-on-4”コンセプトに基づくインプラント支持義歯を諦め、固定式のインプラント支持ブリッジを作製することにした。フレームワークは酸化ジルコニウム製とし、前歯部に1歯ずつベニアを施すこととした。 DVT検査結果に基づき、7本のインプラント(Replace CC,Nobel Biocare社)を埋入した。30〜35Ncmの十分な初期安定性が得られた。治癒期間中、患者はソフトシリコーンを裏装した既存の義歯を装着した。 6カ月の治癒期間後に満足なレベルのオッセオインテグレーションが得られ、骨吸収や炎症の徴候は全く見られなかった。インプラントを露出して歯肉フォーマーを挿入した。2週間後、インプラントのポジションを歯科技工所に伝えるために印象を採得した。模型の作製後に適切なアバットメントを選択し、ブリッジをセットする際の平行な軸面を得るための調整を行った(図1)。 デジタル技術を用いて暫間ブリッジを作製した。Zenotec D800ラボスキャナー(Wieland Dental社)で模型をスキャンし、3Shapeデンタルデザインソフトウエアで暫間ブリッジを設計した。ミリングはZenotec select S2ミリングユニット(Wieland Dental社)でPMMA材料(Telio CAD)を用いて行った。■フレームワークの作製 患者が暫間修復物の形態と機能に満足していたので、それをベースにして最終修復物を設計した。最終修復物には暫間処置期間中に自然に磨耗したファセットを反映すべきである。歯科診療所で通常の口腔状態の印象を採得した。歯無歯顎に埋入した7本のインプラントに酸化ジルコニウム製の固定式ブリッジを連結する図1 Dentalism 25 WINTER 2016 26

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