Dentalism 25号
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 大型地震や洪水などの自然災害が多発している近年。そのような災害時には日常的な口腔清掃が困難な状況が起こりうることも考えられる。口の中の様々な細菌が増加することで口腔環境が悪化し、むし歯や歯周病だけでなく誤嚥性肺炎の発症にもつながりかねない。 九州大学歯学部歯学科口腔保健学の山下喜久教授らは、ロッテ中央研究所との共同研究により、口腔清掃が困難となる野外演習に参加した陸上自衛隊員76名を対象に、キシリトール配合ガムを噛むことで口腔環境の悪化を軽減できるのかを調査。被験者をキシリトール配合ガム摂取群と非摂取群に無作為に振り分け、摂取群の被験者は1日につき7回5分間のガム摂取を2日間行った。野外演習の前後で、被験者の唾液中に含まれる全細菌数を比較したところ、非摂取群に比べ摂取群の方が有意に抑えられていたという。 震災時には歯ブラシなどが用意できない、歯ブラシはあっても水不足で使用できないなどの状況が考えられる。また、被災してすぐは緊張からか唾液キシリトール配合ガム摂取で口腔内細菌数の増加を抑制。口腔清掃困難時に有効。が出づらくなることが想定されるため、キシリトール配合ガムを噛むことで唾液の分泌を促すことは有効だろう。リラックス効果にもつながるはずだ。東日本大震災時には実際に役に立ったという体験談もある。災害時の口腔ケアアイテムの一つとして、キシリトール配合ガムへの注目が高まっているようだ。九州大学歯学部歯学科口腔保健学山下喜久 教授広島大学大学院医歯薬保健学研究院二川浩樹 教授歯周病やむし歯菌を抑制するL8020乳酸菌商品が話題に。 最近、L8020菌を使ったヨーグルトやマウスウオッシュが様々なメディアで紹介され話題となっている。L8020菌とは、広島大学大学院医歯薬保健学研究院の二川浩樹教授らの研究グループにより、歯周病やむし歯に罹患したことのない健康な子どもの口腔内から発見された乳酸菌。歯周病菌やむし歯菌の抑制に有効な菌で、80歳でも20本の歯を保ってほしいという思いを込めて、L8020菌と名付けられた。 L8020菌の歯周病菌抑制における効果は、ヨーグルトでも実証済み。広島大学の学生ボランティア50名を対象に、2週の間、毎日昼休みに1個食べたところ、むし歯菌が80%以上、4種類の歯周病菌は40〜90%も減少させる効果が見られた。また、カンジダ菌の抑制効果も認められており、バイオフィルムの抑制にもつながるという。 ヨーグルトやマウスウオッシュがいかに有効だとはいえ、歯周病やむし歯を完全に抑えられるわけではなく、日々の歯ブラシの重要性が変わるわけではない。しかし、様々な研究や商品開発により口内環境が清潔に保たれることは望ましいことだ。チュチュベビーL8020乳酸菌入タブレット販売元/ジェクス株式会社クチュッペL-8020マウスウオッシュ販売元/紀陽除虫菊株式会社ラクレッシュL8020乳酸菌 マウスウオッシュ販売元/ジェクス株式会社8020ヨーグルト(左)8020のむヨーグルト(右)販売元/四国乳業株式会社13 Dentalism 25 WINTER 2016

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