Dentalism 25号
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注目の歯科医師インタビュー思います(笑) 内容等は毎年1月に私のホームページで紹介し、参加申し込みを開始します。――これからの歯科界の展望についていかがお考えですか?岡崎 歯科医療従事者は、小さな口の中ばかり見ていると、自分の仕事の意味が見えなくなりがちです。いかに歯科医療が楽しくてやりがいのある仕事かを考え直す必要があると思います。  例えば、2012年に雑誌の『プレジデント』で、55歳〜75歳の男女1000人に「若い時にもっとやっておけばよかったこと」というアンケートがありましたが、健康面では第4位が「腹八分目」、第3位が「ウォーキング」、第2位が「スポーツで鍛える」だったのですが、第1位は何だったと思います?「歯の定期健診」でした。私は第1位になるとは夢にも思いませんでした。逆に言えば55〜75歳の人は、それだけ歯で困っているということです。 現在、日本は高齢社会のため誰もが漠然とした健康不安を持っています。30年ぐらい前までは平均寿命さえ長ければ良いと考えられてきましたが、生活習慣病により人生の後半を寝たきりで過ごさなければならない方々があまりにも多いのが実情です。そこで「健康寿命」という概念が出てきたわけです。平均寿命が長くなった分、健康で豊かな生活を送りたいものです。 これから求められているのは「健康の科学」です。歯科医学は、まさにそれを目指すものではないでしょうか。これからの歯科医療を「シックビジネス」と考えるか「ヘルスビジネス」と考えるかの問題です。――歯科医師や歯科衛生士に、最も訴えたいことは何ですか?岡崎 いかに現在の職業を楽しむかが重要だと思います。もの見方、考え方を変えるだけで、すべては変わります。いかに人生を楽しく、有意義に、あるいは人のためになる道を歩むか、そんなことを考えると一歯科医療従事者として、本当に大切にしなければならないことが見えてきます。 人は亡くなる時には、地位も名誉も財産もあの世に持って行けません。持って行けるのは良い思い出だけです。だから歯科医師・歯科衛生士という職業を通じて、自分の人生を豊かにすることが大切なのではないかと思います。――講演はもとより、原稿執筆も年間50本以上となりますと、発信するネタが無くなりませんか?岡崎 歯科関係ではモリタのメールマガジンを2週間に1本、これを12年間続けています。これだけで約270本位の話題があります。他には松風友の会のデンタルエコーという雑誌にマンガ形式のものを10年間連載しています。その他に1年1冊の単行本を目標にしています。 「よう続くな」と言われますが、こちらがギブアップ言うて「岡崎ここまでか」と思われるのも腹立つし、かといって内容が普通になってきて「もうそろそろ…」と言われるのはもっと腹立ちますからね(笑) もちろん情報収集のため、常にお尻に火が付いた状態です。だから常に新しい話題を探しています。これを長年続けているから講演会でも新しい話題を話すことができるのだと思います。――そのバイタリティの源となっているのは、何なのでしょうか。岡崎 いつも面白いことを探しているから、面白いことばかり見えて来るんですよ(笑) 先週もオーストラリアに行ってたんですが、街中のバス停前で大きなハンバーガーの看板を見かけたんですが、ふとなにげにその下を見たら、ホルモンか何かを写したような変な写真があるんです。実はそれ内蔵脂肪だったんです。注意喚起の看板ですよ。そのすぐ近くにはマクドナルド、KFC、ハングリージャックスがあるんですけどね(笑) どれだけ肥満が問題になっているかということです。日本では100m歩くとコンビニがありますが、オーストラリアでは100m歩くとジムがある。最近は、アメリカでもヨーロッパでも日本でも、昔はいなかったような肥満を見かけることがあるけれど、アメリカの問題は、すぐに日本の問題になる。僕は歯医者の立場からこれからどうやってそれを止めようかと考えています。 「なぜなのか」、「本当なのか」と、何事も楽しみながら探求し、あらゆる角度から相手にとって価値ある「面白い」話を届ける名手、岡崎好秀先生。1時間足らずの取材中に飛び出したトピックスは実に20以上。講演や執筆依頼が多いのは、時代を吸収しながら、常に最新のパフォーマンスで軽々と我々の予想を超えてくるからなのだ。9 Dentalism 25 WINTER 2016Prole 岡崎好秀(おかざき・よしひで)1952年大阪府出身。1978年愛知学院大学歯学部卒業後、大阪大学小児歯科入局。1984年より岡山大学病院小児歯科講師。2013年4月より国立モンゴル医学科学大学客員教授。日本小児歯科学会 指導医・専門医。日本障害者歯科学会 認定医 。日本口腔衛生学会 認定医 。禁煙科学会 学術委員。国際歯科学士会(ICD)会員ほか。公衆歯科衛生研究会(ネコの会)主幹。岡山市北区神田町2-4-20 ピラミド203号okazaki@cc.okayama-u.ac.jphttp://leo.or.jp/Dr.okazaki/

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