Dentalism 24号
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19丹沢 口腔ケアの種類は大別すると3つに分けられます。一つは看護師が行ってきた「一般的な口腔ケア」、歯科医師や歯科衛生士による「専門的な口腔ケア」、歯科医師や医師を含む多職種の連携による口腔内処置としての「連携口腔ケア」の3つです。 それに対して口腔機能管理は、主治医と連携して口腔の専門家で医学部を出ていますが、私は医学部を出て歯学部へ進み、やはり医科だけでも足りないと感じました。――医科歯科連携に注目が集まる中、丹沢教授は周術期口腔機能管理の重要性を説かれていますが、口腔機能管理というのは、口腔ケアとは一線を画すものなのでしょうか。ある歯科医師が行う診断、計画立案、指示、実施・管理のことを指します。治療における副作用や合併症の予防、軽減などを目的としているものであり、一口腔単位の歯科疾患を診るということに留まらない、全人的管理に貢献するものです。――口腔機能の管理の効果について、具体的な事例をご紹介いただけますか。丹沢 昨年、社会保険支払診療報酬基金において、27年度の地区別基金医療顧問等会議でも紹介した中医協資料の一部からご紹介しましょう。 一つは、旭中央病院において、腹腔鏡下で胃の全摘を行った患者さんの退院までの術後日数を比較したデータです。口腔機能管理(図表では口腔ケアと記す)を施した患者は10日で退院できる人ばかりだったのに対して、ケアなしの場合には40〜60日も入院した人がいました。術後こんなに長く退院できないというのは、肺炎を起こしたり、他の余病が出たのだろうと考えられます。医療は、合併症などが出ると治療期間がすごく長びき、医療費も何倍も使うことになります。 口腔管理の介入があった場合と、なかった場合では、術後の在院日数も、絶食日数も、合併症も、抗菌薬の使用も変わってくる。術前の検査というのはある程度同じだけかかるので、投薬、注射、措置、検査、画像などの価格差というのは、術後にかかっているものの差とみるべきでしょう。「ちゃんとした口腔機能管理を実施すれば患者さんのためになり医療費の削減にも繋がる」■周術期口腔ケア分析 腹腔鏡下 胃切除・全摘 口腔ケア有無 術後日数比較(左) 金額比較(右) 口腔ケアあり60504030201005,500,0005,000,0004,000,0003,000,0002,000,0001,000,000術後日数(日)出来高金額合計(円)口腔ケアなし口腔ケアあり口腔ケアなし

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