Dentalism 23号
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 日本が超高齢化社会を迎える遥か以前から口腔ケアを通して「食べられる口」作りに全てを注いできた黒岩恭子先生。平日は自院で歯科診療を行い、夜間は往診や勉強会にあて、休診日はセミナーや実習で日本各地を飛び回るほか、病院や介護施設、障害児者施設への定期的な訪問にも出かけている。中でも月に一度通っているという神奈川県の介護老人保健施設と急性期病院への訪問は、ボランティアで数十年間続けている。今回は患者さんへのアプローチやアセスメントを行うラウンドの現場へ、同行取材させていただく幸運に恵まれた。――歯科衛生士のライセンスを取得された後、歯学部を出て歯科医師になられていますが、元々はどのような歯科を目指されていたのでしょうか。村田歯科医院 院長黒岩 恭子注目の歯科医師インタビュー Star Dentist InterviewKyoko Kuroiwa多職種と連携し口腔ケアを行う先駆者。患者に寄り添い「食べられる口」を作る。取材・文/丹羽麻理 撮影/中島繁樹6黒岩 予防を主にした歯科医になりたいと考えていました。卒業後は歯科医療人として尊敬できる丸森賢二先生が主宰している研究会に入会させていただきました。 当時は、まだ予防歯科医療の時代ではなかったのですが、開業するときは予防中心の歯科医院と考えていました。初妊婦さんから赤ちゃん、赤ちゃんから高齢者に至るまでのライフステージにあわせて、天国に召されるその瞬間まで少しでも口で召し上がって旅立たれることを願い、当医院のスタッフと共に、地域でかかわってきました。患者さんご本人、ご家族、その方にかかわる人たち、もちろん私たちも悔いのない看取りができるようサポートさせていただいております。 そうした中、障害児のお子さんたちが、むし歯や歯肉炎にならないようなかかわり方がしたいと思い、定期的に特別支援学校を訪れるようになりました。開業してから41年間、今でもボランティアで行っています。――障害児の方々とのかかわりが口腔ケアを試行錯誤していく歯科人生の萌芽だったのでしょうか。黒岩 当時、丸森先生の研究会は、

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