Dentalism 23号
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20けてあげられるのか。残念ながら、小学生は糖尿病専門医のところへは来ない。小児科も知識を持っていない。そこはやっぱり歯医者さんしかないでしょう? 歯科には小さな子ども達がたくさんやって来ます。馬鹿にしていましたよ。循環器は命にかかわるけれど、糖尿病なんて食べ過ぎの自己責任病だと思っていましたからね。でも、いざ診療となると一からどころか、ゼロからのスタートです。看護師からは糖尿病内科なのにこんなことも知らないの? って顔されて、半年ぐらい恥をかきながら診療していました。 大学の給料だけでは食べていけないので、週2、3回は外勤でバイトに行き、糖尿病の患者さんを山ほど診るという生活です。糖尿病で最も重症のタイプは劇症1型糖尿病と呼ばれる病気で、これはたった1週間で糖尿病を発症し、1日でもインスリン注射を怠れば命が危ない状態になるのですが、大学での10年間では、そういう人も含めてあらゆる糖尿病の症例を、実際に診ることができました。――そうした中、なぜ糖尿病の「予防」を目指すようになったのでしょうか。西田 僕は糖尿病の世界では完全にアウトローだから、ものの見方が違っていたんでしょうね。何も知らないから、本もいっぱい読んだ。大事なことは何も書かれていませんでしたけどね(笑)Special Interviewお医者さんの話を聞いてみよう!歯医者さんと歯科衛生士さんがお母さんと子ども達にアプローチしていけば、きっと多くの子どもを助けてあげられる。 僕は糖尿病専門医だから、成人の糖尿病患者しか診ることができないけれど、もし今の知識をもって歯科衛生士になれたら、きっと多くの人を救うことができる。だから僕は生まれ変わったら歯科衛生士になりたいと、本気で思っているんです。――循環器の医師だった先生が、糖尿病専門医になった経緯は?西田 血管平滑筋細胞の研究で博士号をとった後、なぜか大阪大学へ移り基礎研究をしていたんです。事業をやっていた嫁が松山で1500組の婚礼カップルを送り出していた頃、僕は単身大阪で金にもならない実験をして、論文書いて、7年近くも好きな研究に没頭していました。今から思えば、僕は完全にヒモだったんです(笑) それで家庭が崩壊しかかったので愛媛に帰ろうと思い循環器のボスに相談したところ、ちょうど人を探していた糖尿病内科の先生に「大阪にええのがおる」と言って推薦され、糖尿病内科へ…。 正直、最初は糖尿病内科なんて「生まれ変わったら歯科衛生士になりたいそうすれば糖尿病患者はもっと救える」

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