Dentalism 22号
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る「あいうべ体操」の信奉者ですが、病棟でもできる方にはすすめていて、改善する方もいます。口腔カンジタ症を発症し、口腔内の頑固な乾燥に苦しめられていた患者さんは「あいうべ体操」で症状が改善しました。今では、各地の医療生協でも取り組みが広がりつつあります。伝多朗 口腔ケアが変わると、廃用症候群までもが改善される可能性があるのですね。中澤 病院のVE(嚥下内視鏡検査)やVF(嚥下造形検査)で食べられないと判断されると、それに合わせた食形態を考えていくことになります。しかし口腔リハビリにより患者さんが本来持っている機能を引き出すことで義歯が入る可能性もあるし、食べる意欲や生きる意欲をさらに高めることもできるようになると思うのです。歯科が担えることは、まだまだ山のようにありますよ。 夢は、在宅歯科診療部を作ること。希望を持ち、歯科の可能性を信じて挑戦を続ける中澤先生は意欲に満ちあふれ、お話は居酒屋をさらに2軒はしごして終電ギリギリまで続きました。23中澤桂一郎(なかざわ・けいいちろう)1961年神奈川県出身。1986年東北大歯学部卒業。同年利根保健生活協同組合入職。利根歯科診療所勤務。1989年医局長、1996年副所長を経て、2010年より所長を務める。高齢化と医療過疎が進む地域の中で、医療生協の組合員(地域住民の7割)を主役とした医療のカタチを模索。医科歯科ジャンルを問わず貪欲に学び、新しい取り組みにも意欲的に挑戦している。「桜なべ」1,900円(ロース肉)(ひれ肉)2,100円育てられる環境や、水、飼料にまでこだわり、確かな生産者から調達している最高の馬肉は、旨みを引き出すために2~3週間熟成させたものが使われている。ともに味わうねぎや白滝、麩なども厳選されている。割下に味噌をとかしていただく格別の一品。肉さし(馬肉刺身)1,900円ロース肉の中心部分だけを厳選して使用。きめが細かい肉質で、赤身本来の旨みが味わえる、あっさりとした味わい。生姜醤油でさっぱりと。あぶらさし 1,600円馬のたてがみの下の部分の刺身。肉と脂の中間的な性質の部分で、独特の歯ごたえと甘みがあり、口に入れるととろける逸品。馬肉たたき 1,600円軽くあぶったロース肉と生野菜に、トマトベースの自家製ドレッシングがかかったサラダ仕立ての一品。中澤 医療生協の「主人公」は組合員さんですから、健康について自ら学び、活動するパワーがあります。今話題の「地域包括医療」を60年前から実践していると言っても過言ではないと思っています。伝多朗 9月1日に利根中央病院が新築移転したのを機に、歯科医師によるラウンドと、衛生士を常駐させ病棟を回る「口腔リハビリ」を開始されたと伺いました。中澤 病院内に歯科を作らなかったので、1台300万円のポータブルユニットを購入し、病棟内を回ることにしました。まだ週に1度しか回れませんが、将来的には6病棟全てに衛生士を常勤化させたいと考えています。歯科衛生士が回って口腔ケアを施すことで、高齢者の誤嚥性肺炎を予防できることはもとより、口腔ケアを行う際に適正なポジショニングを確保すれば、背中が解放され、呼吸が楽になり、患者さんは自分で起き上がろうとするようになったり、痰が出せるようになったり、声が出たりするんですよ。伝多朗 ちょっとしたことで、高齢者への口腔ケアの成果は大きく差が出てくるようですね。中澤 私は今井一彰先生が提唱す

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