Dentalism No.19
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1620~60代の7割以上が銀歯を保有。「3万円未満なら白い歯に変えたい」が半数。先進国の中で驚くほど銀歯を持つ人が多いと言われる日本。『スリーエムヘルスケア』が、全国の20〜60代の一般男女2万人に対し、銀歯に関するオンライン調査を実施したところ、銀歯の保有率は全体で71・2%。最も保有率が高かった世代は40代で、79・7%。10年以上銀歯を保有している人は全体で41・6%だった。日本歯科医師連盟の副会長、高橋英登氏によると、「定期的なメンテナンスをせず銀歯を長期保有すると、酸化、劣化し、う蝕や歯周病などのリスクが高まります。銀歯などの歯の詰め物と歯の間の隙間に細菌が侵入し、二次う蝕が発生する可能性もあります。通常のう蝕よりも、歯の奥深くまで進行することが多く、神経に達する場合もある」とのこと。特に保有率が高い40歳代は注意が必要だ。銀歯を選んだ理由として最も多かったのは、「歯科医院から他の方法をすすめられなかったから」で6割以上。また、銀歯保有者に白い歯への治療の意欲を聞いたところ、「1本につき最大3万円未満であれば変えてみたい」と答えた人が半数を超えた。3万円以上になると変えてみたい人が4%に激減することを考えると、3万円がボーダーラインということだろうか。CAD/CAM冠が普及し、患者の費用負担が抑えられていけば、ますます白い歯に変えたいという人が増えることは間違いない。口を開いたときに銀歯がないという時代はそう先のことではなくなってきた。(%)男性女性全体20-29歳44.356.550.330-39歳71.580.375.840-49歳76.682.979.750-59歳74.181.477.860-69歳64.772.268.6■ 各年代の銀歯保有率(男女別)(n=1030)■ Q. あなたは、今後、一本当たりの治療費が最大いくらぐらいであれば、白い詰め物や白い歯に変えてみたいと思いますか。45.6%50.4%最大10万円以上でも変えてみたい0.5%最大3万円~10万円未満であれば変えてみたい3.5%最大3万円未満であれば変えてみたい治療費を払ってまで変えたいと思わない歯を失うと認知症のリスクが最大1.9倍に。義歯を使えば40%抑制できる可能性あり。歯の状態は認知症と深い関係がある。厚生労働科学研究班が65歳以上の健常者4425名を対象に、アンケート及び追跡調査を実施。要介護認定を伴う認知症度Ⅱ以上が発症するまでの日数や歯数、咀嚼能力、かかりつけ歯科医院の有無などとの関係を調べ、分析を行った。その結果、年齢、治療疾患の有無や生活習慣などにかかわらず、歯がない人は認知症発症リスクが高くなることが示された。特に、歯がほとんどないにもかかわらず義歯を使用していない人は、歯が20本以上残っている人の1・9倍も認知症発症リスクが高い。しかし、歯がほとんどない場合でも、義歯を使用することで、認知症の発症リスクを4割も抑制できる可能性があるとのこと。東北大学大学院歯学研究科の研究では、歯の数が少ない高齢者ほど、記憶をつかさどる脳の海馬や、思考能力を担っている前頭葉が縮んでいるという報告もある。歯の状態と認知症との関係について厚生労働科学班の山本龍生氏(神奈川歯科大学大学院准教授)は、「噛めなくなることにより、栄養が偏ったり咀嚼機能の低下が起きる。それらが脳の認知機能の低下を招いているのではないか」としている。また、かかりつけ医院を持っている人に比べ、持っていない人の認知症発症リスクは1・4倍にのぼり、歯の状態が脳の働きを含め身体全体の健康に大きく影響を及ぼしている。神奈川歯科大学 大学院 歯学研究科 社会歯科学講座 山本龍生准教授■ 歯数・義歯と認知症発症までの 日数との関係  20歯以上  19歯以下  歯がほとんどなく 義歯使用  歯がほとんどなく 義歯未使用累積生存(認知症でない人の割合)認知症発症までの日数■ かかりつけ歯科医院の有無と 認知症発症までの日数との関係かかりつけ 歯科医院  あり  なし累積生存(認知症でない人の割合)認知症発症までの日数

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