Dentalism No.18
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22審美歯科では、最終修復物にいかに自然な質感を持たせるかが最も難しいといわれる。CAD/CAM技術は最終修復物の審美性と形態を予測する上でやや難点があるが、ここに紹介するアナトミックシェル・テクニック(AST)は、この問題を解決するきわめて革新的かつ魅力に富んだ技術といえそうだ。■はじめにCAD/CAM修復物の最終的な審美性における予知性の欠如は、歯科医の主要な懸念事項の一つとなっている。この問題は特に、複数ユニットによる再建が必要な複雑症例で顕著だが、残念ながら関連文献は限られている。本稿はCAD/CAMによる最終修復物を製作する前に、テンポラリーベニアとして光重合型のフロアブル・コンポジットレジンで作ったシェルを使用し、事前の患者による確認と最終修復物の審美性および形態の予測を行う技術を解説したものである。前歯部で、隣在歯と同様の表面性状や光沢を持たない修復物は、一見して違和感を生じさせる。特に周囲の歯の表面性状が複雑、あるいは際立っている場合には、一層違和感が大きい。隣在する天然歯と見分けがつかない前歯修復物を製作するためには、通常、熟練した歯科技術が必要となる。しかし、天然隣在歯の表面性状を模倣し、ミリングマシンでそれを再現することができれば、熟練した技工士の手を借りずに審美性の優れた修復物を製作できる可能性がある。本稿の目標は、天然歯で観察された表面性状や光沢のニュアンスを、ASTを用いてCAD/C A M修復物に再現しようという新しい臨床的アプローチについて記述することにある。■症例患者:43歳 男性主訴:抗菌薬による上顎左側中切歯の変色を治したい(図1a-d)患者は、自らの外見が人との付き合いや笑顔に影響を与えるので、審美と咬合の改善のための歯科治療に関心があると述べている。診査を行ったところ、歯根が歯内療法により黒く変色し、歯冠形態も損耗していることが分かった。患者が歯内療法の再治療を了承したので、歯内療法後にデュアルキュア・レジンセメント(マルチリCAD/CAM歯科臨床における審美性の改善―アナトミックシェル・テクニックDental Tribune International(本社:ドイツ・ライプチヒ)は、2003年に月刊紙Dental Tribuneを創刊した出版社としてスタート。その後、新聞、雑誌などのプリントメディアに加えてデジタルメディアも発行。現在、130種を上回るプリントメディアとウェブメディアは世界90か国、30言語で、65万人の歯科医に読まれています。「Cosmetic Dentistry」はDental Tribune International 発行の審美歯科(美容歯科)専門誌。Dr Paulo Kano*, Dr Eric Van Dooren**, Dr Cristiano Xavier*, Dr Jonathan L. Ferencz***, Emerson Lacerda*, Dr Nelson RFA Silva** Brazil, ** Belgium, *** USACosmetic Dentistry(2013;4:18-21)翻訳/株式会社メディカルトリビューン

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