Dentalism No.18
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18歯髄細胞を用いた歯槽骨再生に成功。抜いた歯は捨てない時代になるか!?昨年11月の国会において、次世代医療として期待される再生医療の早期実用化を目的とした「再生医療関連新法」が成立した。それにより、大手製薬企業などによる再生医療ビジネスへの参入、医療施設での再生医療の導入が増加傾向にある。このように再生医療普及に対する気運が高まる中、『シバタ再生医療センター』(愛知県岡崎市)が、『再生医療推進機構』(東京都中央区)の協力を得て、歯槽骨が委縮しているためインプラントの埋め込みが困難な2名の患者に対し、国内初となる歯髄細胞を用いた歯槽骨の再生に挑戦し、治療に成功した。骨髄細胞を利用した歯槽骨の再生はすでに実用化されているものの、骨髄を歯科施設で採取することは困難であることに加え、患者の身体的負担も少なくない。しかし今回は、『再生医療推進機構』が運営する「歯髄細胞バンク」で保管されていた細胞を使用。患者に身体的負担をかけずに治療ができるようになった。「歯髄細胞バンク」は、将来の備えとして有料で自身の歯髄細胞を預かるシステム。同機構が国立岐阜大学などと産学連携で2009年よりスタートしている。歯の中に含まれる歯髄細胞は、年間1000本以上も廃棄処理されてきた親しらずなどの永久歯や乳歯などの抜去歯から採取可能。繁殖能力が非常に高いことから、再生医療の治療材料として注目を集めている。欧米やアジア諸国でも歯髄細胞バンクが始動しており、抜いた歯を捨てない時代になってきた。■歯槽骨(上顎骨)再生評価(CT画像)細胞移植前細胞移植後3ヶ月インプラント術後5ヶ月ハンドピースの使い回しが約7割。歯科医療機関の院内感染への懸念高まる。歯科医療機関では、院内感染を防ぐため、患者の唾液や血液に触れる器具の滅菌処理は不可欠だ。日本歯科医学会監修の指針でも、使用後は高温で滅菌した機器と交換するようにということが示されている。しかし、平成25年度に行われた国立感染症研究所などの調査により、ハンドピースを患者ごとに交換している歯科医療機関が3割近くしかないことが判明した。調査は歯科医療機関3152施設に対して実施。2014年1月までに全体の28%となる891施設から回答を得ている。内容は「必ず滅菌したハンドピースに交換している」という回答が34%、「ときどき交換している」が14%、「感染症にかかっている患者の場合は交換する」が35%、「交換していない」が17%。適切に交換していない歯科医院が7割近くにのぼる結果となった。さらに、その他のアンケートでも、防護用の眼鏡やマスク、グローブの着用も徹底されていない歯科医院が多いという結果となり、院内感染の懸念が高まるばかりだ。特に、院内感染対策の導入率が低いのは、「歯科医師の年齢が50歳以上」、「1日の患者数が35人以下」、「口腔外科を標榜していない」歯科医院だった。滅菌作業には高額な滅菌装置を導入しなければならないし、それだけの滅菌を行うには、ローテーションして使えるだけの数の治療機器を揃えておかなければならず、経済的にも大変なことは明らか。外来において機器を滅菌して患者ごとに交換すれば、診療報酬の加算が認められているが、金額は入院時における医科の加算と比べて大幅に少ないという事情もある。しかし、患者の安全が侵されることは許されない。歯科医師が感染予防策への理解を高めるとともに、政府も改善策を講じるべきではなかろうか。■ 交換していない■ 時々交換■ 感染症患者の時■ 必ず交換■平成24年度 歯科医療機関における 院内感染対策アンケート調査 ー患者ごとハンドピースを交換しますか?ー1009080706050403020100(%)平成18年平成20年平成22年平成24年

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