Dentalism No.17
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1最近、子どもの運動や芸術に対する資質や性格などを判明させる遺伝子検査ビジネスが話題となっている。資質がある分野を伸ばしてあげられたり、秘められた才能を発見してあげられたりできる反面、親の育て方によっては、無限の可能性がある子どもの将来を狭めてしまうのではないかという懸念もある。利用の仕方に関しては、何とも言えないところだ。また、昨年2月、ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーが乳房を切除したことを告白したのも、遺伝子検査で乳がんになるリスクが高いという結果が出たからだった。遺伝子検査のメリットは、乳がんや卵巣がんなど遺伝的要素が強い疾患にかかるリスクが分かるため、予防や対処により、早期治療を可能にするところが大きい。さらに、その人にあった薬を処方ただ今、巷で話題ですがらないかという懸念もある。現にアメリカでは、企業が本人に秘密で遺伝子検査を行うといった事態も起きている。また、遺伝子検査によって何らかの疾患にかかる可能性が高いことが判明した場合、医療保険への加入にも影響が出るかもしれない。少し考えただけでも、遺伝子情報が社会に与える影響は大きいだろう。経済産業省の「遺伝子検査ビジネスに関する調査」によると、遺伝子検査は業者数も利用者数も増加傾向にある。最近では、インターネットで注文し、自分で試料を採取して郵送するだけで結果が分かる簡易的な検査も出てきた。価格も1万円台から5万円台と手頃。その内容や検査項目はバラバラで精度も様々だ。現在、法的な規制はなく、経産省が「個人遺伝情報保護ガイドライン」を示すにとどまっている。今後も遺伝子検査は進化し、どんどん身近になっていくことは否定できない。究極の個人情報と呼ばれる遺伝子情報をどう扱うのか。我々一人ひとりが慎重に考えていかなければならないだろう。急速に広がるDNA検査その有用性と危険性は!?できたり、疾患リスクに応じたオーダーメードな治療が可能になるため、医療費の削減にも繋がるというわけだ。しかし倫理的な懸念もある。2013年4月から、妊婦の血液から胎児の染色体異常の可能性を調べる新型出生前検査が日本に導入され、出生児がダウン症など3種類の先天性疾患を持っているかどうかが分かるようになった。従来の出生前検査の代表である羊水検査は妊婦のお腹に針を刺して羊水を調べるため、流産のリスクがあったが、新型出生前検査は採血だけで済むためその心配がない。検査を受けるか受けないかは本人の意志次第なのだが、悪い結果が出た場合、中絶に踏み切る人が増えているという。晩婚化により高齢出産が増え、少子化が進んでいる昨今、「健康な子どもが欲しい」と望む親の気持ちはよく分かる。経済的な問題もあるだろう。しかしながら、そこで命の選別が行われることに関しては倫理面で賛否両論あるのが実状だ。さらに、こうした遺伝子情報が結婚や就職などの場面で差別に繋

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