Dentalism No.17
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20「柿傳の茶席は東京に一つの名物になるでせう」とは、新宿に京懐石『柿傳』が誕生した際に、川端康成氏より寄せられた言葉の一節である。東宮御所や帝国劇場の設計でも知られる建築家・谷口吉郎氏によって設計された店内は、四十余年が経った今も粛然とした風格ある趣きが漂う。本家である京都柿傳は二九〇年の歴史の中で表千家家元の指導を得て、茶事の専門職として懐石料理の純粋性を守り続けてきた。その京都柿傳と安田家とのコラボレーションによって誕生した新宿柿傳は、ビルの6階から9階に店を構え、元は利休の屋敷であったと言われる天明の大火で焼失する以前の表千家茶室「残月亭」の写しを再現。これも「新宿に大人の道草の場所を」という川端康成氏の言葉がきっかけだったという。店主の安田眞一さんは、茶の湯はもちろん、河東節やワインまで本格的に嗜まれる現代の数寄者。「安田社長はブルゴーニュやボ季節限定の風物詩を大人の社交場で味わう。京懐石 柿かき傳でん東京都新宿区新宿3-37-11安与ビル6~9F03-3352-5121営/11:00~22:00料金/お楽しみランチ4,000円、点心5,000円、すっぽん懐石8,000円~、懐石(雪)10,000円(すべて税サ別)休/年中無休(年末年始・夏期旧盆を除く)http://www.kakiden.com/美味しいものを引き寄せるパワーの持ち主、裏地桂子さんおすすめのとっておきの店。今回は、二九〇年にわたり伝統の味を育む京懐石『柿傳』の、すっぽん鍋をご紹介。裏地桂子の歯談・食談撮影/中島繁樹左/「新宿で大人の道草を」という川端康成氏の言葉を主眼に掲げる『柿傳ギャラリー』(地下2階)。右/数寄屋造りの椅子席では、表千家ゆかりの懐石が味わえるほか、喫茶時間(夕方5時まで)には、自家製の葛切「吉野スイセン」を抹茶とともに味わうこともできる。裏地桂子ギフトコンシェルジュ。女性誌で執筆、コーディネーターとして活躍する傍ら、企業や商品のプロデュースなども手掛ける。ハッピーブログ“お福分け”毎日更新中。草月流師範。京町家・寿庵にて個別指導のいけ花教室主宰。『もの、好き。衣食住をセンスよく楽しむ心得』(講談社)ほか著書多数。(うらじ・けいこ)安田眞一(やすだ・しんいち)新宿・京懐石『柿傳』3代目主人。安与商事株式会社代表取締役。大安商事株式会社代表取締役。社団法人国際観光日本レストラン協会副会長。コマンドリー・ド・ボルドー東京副会長。新宿東口商店街振興組合理事長。経営者としてのみならず各種方面で世話役としても活躍している。

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