Dentalism No.17
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15インプラント接合能力の回復を実現。光機能化技術がいよいよ欧州へ。今や世界中で年間数百万人が治療を受けているインプラント治療だが、これまでチタンの老化による性能の低下が課題となっていた。インプラント表面は製造されてからの時間経過により、表面に炭素化合物が付着することで劣化。親水性がなくなり、インプラント表面と骨の接合能力が低下しているという。しかも、製造年月日の記載がなく、どの程度、老化が進んでいるかはわからない。そんな中、アメリカ・カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校歯学部の小川隆広教授が、インプラントの本来持っている性能を最大限回復させる「光機能化技術」を開発。この技術は、インプラントに紫外線を照射することにより炭素化合物を除去し、骨との接合能力を回復させるというもの。それにより、インプラントを顎の骨に埋め込んだ後の治癒期間も短縮させることができる。また、周辺炎や合併症のリスクも低下する。この光機能化技術を用いたインプラント用紫外線照射装置「セラビーム スーパーオッセオ」(ウシオ電機株式会社/東京都千代田区)が遂に欧州域内32ヶ国で販売された。これは、『なぎさ歯科クリニック』(石川県金沢市)の船登彰芳氏はじめ、日本の歯科医師の臨床成果がヨーロッパで認められたということ。日本ではいち早く光機能化が応用されており、広がりを見せている。光機能化技術を開発したUCLAの小川隆広教授。チタンが老化しているインプラントが15分の紫外線照射により、超親水性表面に回復する。永久歯が6本以上足りないケースも。深刻な先天性欠如歯は早期治療が大切。永久歯が生え替わる時期になっても一部の歯が生えてこない。そんな先天性欠如歯の人は珍しくないという。形成異常の一つで病気ではないが、永久歯の数が足りないと、噛みあわせや顎の成長などに影響が出る場合が指摘されている。日本小児歯科学会の調査によると、7歳以上の子ども1万5544人のうち、約1割にあたる1568人は永久歯が1本以上足りなかった。第二小臼歯と側切歯がない場合が多く、乳歯が足りない子どもも0・5%程度いた。日本大学歯学部歯科矯正科の田村隆彦診療准教授によると、「先天性欠如歯は遺伝的要因が強く、初期から歯の原基が形成されないか、原基が形成されていても、発熱や服薬など何らかの原因により形成が阻害されると考えられる」とのこと。また、「最近では、1〜2本足りないというレベルではなく、6本以上足りない人も見受けられます。放置しておくと、歯の間に隙間が空くことに加え、対合歯の異常萌出や、咬みあわせが深くなることで顎関節症に繋がる可能性もある」と注意を促す。乳歯が永久歯に生え替わる時期は6〜12歳。先天性欠如歯は、本人や家族が気づかないことも多く、虫歯のレントゲン治療で発見されることもしばしば。深刻なケースでは矯正が必須になることもあり、その後、ブリッジやインプラントなどの治療が必要になるだけに、もっと社会に周知させていく必要がある。日本大学歯学部歯科矯正科田村隆彦 診療准教授上下左右4番と5番、合計8本の永久歯が欠損している写真。上顎4番のところに生えているのは犬歯の先頭で、4番の永久歯がないため、犬歯が後方へ向いて萌出してきている。

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