Dentalism No.17
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10奥様が担当している矯正専門の診療室と、セミナー室が入ったCE(Continuing Education)センター。開業当初はユニット4台からスタートした診療所も今ではチェア数18台。歯科医師9名を含めて、スタッフ総勢30名を抱える規模となっている。は何て可哀想なことをしたんだ!」と、凄く反省しました。「こんな歯医者じゃいけない!」と。戦国時代に天下人の徳川家康が敗戦した三方ヶ原の戦いの後、絵師に敗戦後の情けない姿を描かせて、生涯の戒めにしたという話がありますが、まさにそんな心境でした。――卒後臨床研修の必要性と重要性を身を以て体験し、この20年を通してCEセミナーの基盤を構築されてこられたのですね。月星 大学で習わないことが多かった時代ということもあるかも知れません。開業後は、歯周治療における創傷の治癒に興味を持ち、大阪の岡賢二先生と一緒にエンドやペリオについて模索する日々が続きました。そういう中で恩師である石井正敏先生に出会えたことが、歯科医師としての世界を大きく広げるきっかけとなりました。海外のシンポジウムや学会にお供する機会を幾度となくいただきましたが、その都度、著名なぺリオドンティストに、私のような若輩を、そして当時は異端視されていた自家歯牙移植のことを紹介してくださいました。外傷歯科の師でもあるアンドレアッセン先生との出会いも石井先生のご尽力あればこそのことでした。石井先生との出会いは、私の歯科医師人生の財産です。――歯科には数多くの学ぶ場があると思うのですが、CEセミナーの特徴とは?月星 最近、Justice(正義)というテーマで講演をすることが多いのですが、歯科医療の「正義」は、1週間の予約が埋まった状態でスタートを切ることができました。感謝しています。――医学部と歯学部の偏差値にも重なりがあった時代ですし、卒業とは何かを考え、それを実現できるように、バランスのとれた包括的な診断力や、技術力を習得する場でしょうか。より多くの歯髄、歯質、歯周組織を保存して、機能と審美の回復をしつつ、MI(ミニマル・インターベンション)を実践するために必要なことを習得できるようプログラムしています。――国内外での活躍は講演のみならず、多数の著書(翻訳本含む)でも知ることができますね。月星 有り難いことに、外傷歯の著書は11カ国語で翻訳され、移植の本は日本語を入れて5カ国語で出版されています。様々な言語で翻訳していただいているおかげで、著書を通じて僕を知ってくださっている方が世界各地にいることを実感できます。つい先日も、クウェートとサウジアラビアへ講演で出掛けたのですが、クウェート大学では人が出にくい曜日だったにも関わらず大勢の方が集まってくださり、著書を持参してサインを求めてくださる方々もいらして、本当に嬉しかったですね。後は京都大学の医学部へ進まれていることに驚かされます。月星 大学時代、よく理工学の部屋へ遊びに行っていたのですが、ちょうどその頃、京都大学に歯学部ができるかもしれないという話があり、文部省は歯科理工学の部屋を作ったのです。そんな折に当時助教授だった井田一夫先生の勧めもあってパイロット教室として先駆的に作られた医療材料教室に誘っていただき、受験することにしたんです。でも卒業試験と国家試験、大学院の試験と、3つの準備をしなければならなかったので大変でしたね。運よくすべて通りましたが、京都大学ではドイツ語も英語も辞書の持込が禁止でしたから、英語はともかく、ドイツ語を覚えなおすのは大変でした。 ――材料学を学ばれていた先生が、外傷歯治療へ進まれるきっかけは何だったのでしょうか。月星 「懺悔」の気持ちからです。昔、外傷で歯が2本抜けた患者さんがいらしたのですが、僕は無造作にその歯を捨ててしまいました。その後しばらくして、アンドレアッセン先生の著書と出会い「自分セミナールームのある2階ホールには、研修参加者が寛げるよう様々な配慮がされている。

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