Dentalism No14
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14口腔がんを酵素で迅速診断。一般的ながん診断法として期待。現在日本人の死亡率の第一位はがんであり、がんの制圧は国民の健康対策の中で最も重要な課題の一つとなっている。早期診断技術の開発が進められる中、がんに特異性の高いテロメラーゼと呼ばれる酵素が注目されているが、酵素の不安定さと検出手法の煩雑さ等から実用化には至っていないのが現状であった。このたび、九州工業大学と九州歯科大学との歯工学連携研究で、テロメラーゼ活性を調べる際に簡便な手法を開発することに成功。その手法とは、電極上に固定化したDNAとFND(竹中繁織教授の開発試薬)とを組み合わせた、電気化学的テロメラーゼアッセイ法(E C TA法)というもの。九州工業大学の竹中繁織教授、佐藤しのぶ准教授と、九州歯科大学の冨永和宏教授との共同研究においてECTA法を発展させた。本手法を用いることによりわずか30分程度で80%以上という高い正診率で口腔がんの診断を行えることが明らかとなった。さまざまながん診断へ応用可能であることから、ターゲットを口腔がんから前立腺がん、肺がんへと拡張中という。がん制圧に向けた着実な一歩となる開発である。■新規テロメラーゼ活性測定法:ECTA法九州工業大学竹中繁織 教授九州工業大学佐藤しのぶ 准教授九州歯科大学冨永和宏 教授サンプル採取スポンジで口腔内全体を拭うだけ!キット試薬を加え、専用機 (九工大で開発)で測定.●安価な小型装置で検査可能●測定が簡便●30分で判定可能●廃棄物をほとんど出さないAnalytical Chemistry, 77, 7304-7309 (2005)., 分析化学, 61, 243-250 (2012).30 min (伸長反応)TS プライマー固定化電極でECTA法を行う1min (検出)電気化学測定結果テロメラーゼの有無を電流増加で判定迅速かつ簡便PCR不要定量的データによる評価可能ターゲット口腔がん同成果は医学系雑誌『Clinical Chemistry』に発表された。歯科用金属を用いない臼歯部1歯欠損の新たなブリッジ治療が先進医療に導入。中央社会保険医療協議会において、歯科における新しい先進医療技術が認められた。「金属代替材料としてのグラスファイバー補強高強度コンポジットレジンブリッジの治療技術」が先進医療会議における検討で妥当と判断されたのである。適応症は「臼歯部1歯中間欠損に対し両隣在臼歯を支台歯とした3ユニットブリッジ」とされており、保険給付されない費用(「先進医療に係る費用」)が3万6千円、保険給付される費用(「保険外併用療養費」)が1万4千円。同技術の有用性としては、貴金属合金を使用しないため金属アレルギーを有する患者への対応が可能であることや、貴金属相場の変動を受けず安定供給が可能であることなどが挙げられている。実施責任者の要件は補綴専門医で当該診療科の経験年数5年以上、当該技術の経験年数1年以上、経験症例数5例以上とされているが、「将来的に保険収載を行うことが妥当」との評価を得ており、いずれは保険診療による一般的治療として普及す■金属代替材料としてのグラスファイバー補強高強度コンポジットレジンブリッジの治療技術■同技術の特徴●金属アレルギーを有する患者に対しても適用可能●作業工程の低減による来院間隔の短縮により、 治療の期間の短縮が想定●患者のかみ合わせの状態に応じた迅速な対応が可能 (金属の場合は再製作となることが多い)●材料が価格の変動がなく、安定した供給が可能 (歯科用貴金属では市場価格による変動あり)る可能性は高いと予測される。歯科の新規技術の開発や保険導入の活性化を図るべく、導入の仕組みの研究等にも注目していきたい。支台歯形成口腔内へ装着作業模型の製作印象採得ワックスによる形態形成埋没鋳造完成作業工程の低減口腔内へ装着完成メインファイバーフレームの設計メインフレームの圧接と重合、形態修正従来の治療技術を用いた場合当該治療技術を用いた場合治療過程

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