Dentalism No14
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8たけど、実は工場で作られた直後の新鮮なインプラントの周りには多くの骨ができるのに対して、時間が経った(現在使われている普通の)インプラントでは、結合する骨の量が新鮮なインプラントに比べて、半分ぐらいしか出来ていないことがわかった。でも、小川教授の研究によって、特定の波長の紫外線をインプラントに照射することによって、工場で作られたばかりの新鮮な状態以上のパフォーマンスをインプラントに与えることを可能としたのです。――インプラントの親水性がよくなり、結合する骨の量が増えることで最も効果が出たポイントは?船登 仮歯装着までの治療期間が装置導入前に比べて、ほぼ半減しました。治癒期間が短くなり、患者さんはそれだけ早く噛めるようになったということです。世界に数百あるインプラントメーカーのほとんどの種類で使用でき、日本では一昨年から実用開始となりました。徐々に導入する歯科医院も増えてきているようですが、中には「何でもっと早く買わなかったんだろう」と言っている先生もいます。高価なものではあるし、躊躇する理由は様々にあるだろうけれど、今、使っているインプラントの最高のパフォーマンスを引き出し、患者さんに最高のものが提供できるので、使わない手はないと思う。――日本人研究者や臨床家の仕事が世界へ広がるのは興奮しますね。石川先生との著書『4-Dコンセプト インプラントセラピー』も外国語版が続々登場とか。時代と共に動いている感じがしますね。船登 「光機能化技術」の欧米での実用化は、この夏頃からだと思います。様々な形で日本から世界に向けて発信できることは喜ばしいことです。『4-Dコンセプト インプラントセラピー』は、2008年に出版後、英語版、ドイツ語版が出て、2年前に中国語版、昨年、韓国語版が出ました。何年先になるかはわかりませんが、遅くとも60歳までには自分たちがやってきた仕事を記録した、渾身の一冊を5-Dの歯科医師がどんな技術を持ち合わせていて何が提供できるのか、基本に立ち返り、当たり前のことをもう一度、確認していこうと思っています。――長く指導的立場で活躍されていますが、ご自身が学び始めたのは意外にも遅かったとか?船登 僕が真剣に勉強し始めたのは、実は故郷である(石川県の)羽咋市に戻り開業してから。ある日、歯周病で抜歯せざるを得なかった患者さんが、受付で泣いている姿を目の当たりにして…。歯が抜け落ちる原因を探り、歯や歯茎を健康な状態に戻す質の高い治療をしたいと思ったのがきっかけでした。そこで当時、日本に紹介されはじめた歯周治療とインプラント治療を学び、今日まで模索し続けてきました。海外の学会や研修会にも出掛けて行き、有名な先生の話を聞くたびに圧倒されましたね。日本の歯科はどうあるべきか、どうして行くべきか。「もっと、ちゃんとやりたい」と強く思うようになったのは、世界との出会いがきっかけと言えるかも知れません。――海外といえば、アメリカのUCLAの小川隆広教授による「光機能化技術」は、世界に先駆けて船登先生が臨床に取り入れ話題を集めました。ぜひご紹介を。船登 小川教授は2009年に、チタンは時間の経過とともに骨との結合能力が劣化していくことを世界で初めて発見し、その解決法を発明しました。歯科では、同じインプラントなら時間が経ってもその性能や性質は変わらないというのが定説でし審美治療、5人が得意とする分野の学術・臨床経験をすべて提供していますが、そこに魅力を感じとってもらえたら嬉しいですね。――5-Dの研修会は、すぐに定数に達してしまうと評判です。船登 おかげ様で数多くある講習会から、私たちのコースを選んでいただき感謝しています。ここまで何とか順調にきていると思います。「包括治療」という言葉が、よく使われるようになってきましたが、その言葉に縛られ、逆に画一的な治療に陥りやすい側面もあるように思います。患者さんごとにみると、治療法に一つの正解しかないということは、ありえないように思います。だから様々な方面からのアプローチ、治療の「コンセンサス」が必要となる。5-Dは、そこを大切に考えています。患者さんの希望を踏まえた上で、光機能化装置「セラビーム」導入前の10カ月間に埋め込んだインプラントは222本で8本が脱落、成功率は96%であったのに対して、導入後の10カ月間では168本のうち4本が脱落、成功率は98%と、ほぼ同等だったが、最も大きな違いは治癒期間が圧倒的に短くなったことだという。「5-D」のロゴが大きく入った診療用のユニフォーム。「5-D」と未来の歯科医療を背負う意気込みがほとばしっている。

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