Dentalism No.13
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18骨密度診断サポートソフトで骨粗しょう症の早期発見へ。■実際の症例全身の骨密度(BMD)が低下し、骨折を誘発するのみならず、顎骨代謝に影響を及ぼす骨粗しょう症は、日本で1200万人以上もの潜在患者がいるといわれる。これまで骨組織と歯周組織の形成と吸収過程が類似していることから、骨粗しょう症と歯槽骨変化との関連に関心がもたれていたが、歯槽骨を評価する客観的方法が確立されていなかった。このたび歯学博士・高石佳知氏が開発したソフトウェアBone Right(ボーンライト)が実用化され、一般歯科臨床で簡単にレントゲン画像から骨密度の具体的な数値を割り出し、評価することが可能になった。本ソフトをインストールしたコンピューターに撮影したレントゲン画像を読み込めば、わずか3分程度で骨密度を数値化ならびに評価できる。普及すれば、歯科での診断が骨粗しょう症患者の早期発見や発症予防につながるという。 また、骨粗しょう症や生活習慣病、続発性骨粗鬆症の治療薬剤であるビスフォスフォネート製剤の副作用の予防にも効果を発揮すると考えられている。骨粗しょう症の受診率を上げることで、寝たきり患者や死亡率の減少の期待も。急速な高齢化が進む中、医療費や介護費用負担の軽減も切に望まれるところで、医科歯科共同作業のツールとしても注目されている。18開発者 高石佳知 歯学博士(日本歯科骨粗しょう症研究会 副理事長)骨減少症患者の歯槽骨骨密度(al-BMD)領域番号4番のal-BMDが、69.5と若年健常者正常値である131.7を大きく下回っている。T値は骨密度検査による腰椎の骨密度評価が若年健常者の80%以下であると骨減少症と診断される。歯槽骨骨密度(al-BMD)による医科歯科連携の例医科における骨密度検査による骨粗しょう症確認診断を依頼した結果。al-BMDが若年健常者に比べ低値であり、骨粗しょう症の疑いがある。「食べるワクチン」で虫歯予防の可能性。効果的な抗う蝕ワクチンの研究進む。虫歯のワクチンの実用化に至らないのはなぜか、という疑問にアプローチする論文「抗う蝕ワクチンに関する研究」(長崎大学病院の星野倫範講師、長崎大学大学院の医歯薬学総合研究科の藤原卓教授、齋藤幹助教、近藤好夫医員、大阪大学大学院歯学研究科の川端重忠教授、岡橋暢夫准教授、新潟大学大学院医歯学総合研究科の寺尾豊教授による研究グループ)が「Clinical and Vaccine Immunology」誌に掲載され、星野氏が日本小児歯科学会大会にてLion Award学術賞を受賞した。研究グループは、う蝕の病原因子の一つであるグルコシルトランスフェラーゼというミュータンス菌がもつ酵素を標的としたワクチンをベースに考察を行い、改めて解析。結果、実際に抗原性を有し、酵素活性抑制できる抗体を誘導できたと述べている。そして、この抗体産正系をお米に遺伝子導入すれば、虫歯の「食べるワクチン」として応用できる可能性が高まるとの考察につなげている。実際の臨床応用のためには、D NA組換え食品の影響を十分に考慮するなどの必要があるが、現在もより効果的な抗体の誘導を目指し、日夜研究が続けられている。「永久歯が生えてくるまでに虫歯菌を付着しにくくできれば、大人になっても虫歯になりにくい」という星野氏。小児歯科にとっても大きな意味のある、虫歯予防のための着実な歩みと言えるだろう。長崎大学病院小児歯科星野倫範講師第50回日本小児歯科学会大会にて平成23年度Lion Award学術賞を受賞した星野氏の講演時に使用されたスライドより。(食べるワクチン作成のためのメカニズム/抜粋)問い合わせ/有限会社 デンタルグラフィック・コム#079-226-7272http://www.dentalgraphic.com

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