Dentalism No.13
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9ンルにおいて60点でいいのかというと、それではマズイわけです。5本治療したうち3本は成功で2本は失敗してもいいなんてはずはない。一方で歯内療法が好きで99点とれていても、他の科目が60点では、やっぱりダメなわけで。GPのすごさ、GPの辛いところ、GPが考えなくてはいけないことは、全ての科目に対して99点がとれるようにならないといけないということ。それが日本のGP小嶋 アメリカには専門医(スペシャル)の制度があって、一般的なGPの上に専門医がいる。歯内療法だってそう。GPは歯内療法ができないわけではないけれど、難しいものに手を出して失敗すると、アメリカではすぐに医療訴訟になるから、専門医の先生に任せることが多い。だけど日本では、国が認めている専門医制度はなくて、個人で標榜しているだけ。基本的にはGPしかいない。そうすると、患者さんに対して、すべてのことを提供できなければならないわけです。日本の歯科医師は、エンド(歯内療法)やぺリオ(歯周病)を避けて通るわけにはいかないわけですよ。ある意味では、矯正も含めてGPは全ての分野ができなければいけない。しかも、全てのジャ時間もかかるしアシスタントは必要だけど、基本的に歯科医師が一から十まで見ているのは歯内療法。治療の一番ベースになるものだから、難しいとかいうのは論外。エンドがあっての修復物だから。――困難な症例、難しい治療に出会うこともあると思うのですが。小嶋 何でも困難といえば困難。技術力の違いや、目線の高さによって違ってきますよね。目線が低いと全てが難症例になる。私の場合は、常に「自分流」を模索し続けている。「もっと単純な方法はないか、より最短距離はないか、単純化できないか、最適な道具はどれか」など、いつも考えながらやっている。そうすることで、どんどん発想がわいてくる。づく人もいる。一つ一つの施術をブラッシュアップして、最良のものを模索し続けているから、ずっと聞いている人はバージョンアップしているポイントもわかる。「歯医者は死ぬまで勉強だぞ。勉強できなくなったらリタイアなんだぞ。今日、患者様からもらったお金は、明日の患者様のために使わなきゃ」と村岡先生の教え通りやっているだけです。に求められている、ということでしょうか。――歯科治療の中でも、とりわけ歯内療法は、難しいと言われがちですが、どのように思いますか。小嶋 歯内療法こそ基礎的な考えを理解し、積極的に取り組んで最初にできるようになって、自分の筋肉にしなきゃ。だって、クラウンブリッジなんて補綴物をする患者さんは、経験値の低い若いドクターは選ばないでしょう?悪い言い方をすれば、ぺリオは、患者さんや歯科衛生士に原因を求めることもできるし、補綴物は、歯科技工士とのコンビだから問題を自分意外に見出すことができなくもない。でも、歯内療法だけは、「自分との闘い」なわけですよ。1946年東京都出身。日本大学歯学部在学中より村岡博氏に師事、1971年卒業後は村岡歯科医院に勤務。その後、兄の小嶋榮一氏が運営する小嶋歯科クリニックを経て1984年に中央区銀座にて開業。日本歯内療法学会 認定指導医日本顎咬合学会 認定指導医アメリカ歯内療法学会 アクティブメンバー■小嶋歯科クリニック東京都中央区銀座1丁目8番1号銀座池田園ビル4階03-3561-6301http://kojimashikaclinic.blog10.fc2.com/咬合学の大家で世界にもその名を知られていた故・村岡博先生の写真は、常に見える場所、院長のデスク近くに飾られている。院内に飾られている歯科をモチーフとした3Dアートは、いずれもチャールズ・ファジーノの作品。ニューヨークを訪れた際に一目で気に入って求めたという。データの管理も大事な仕事の一つ。タイムリーにファイリングされたデータは、多数の講演会や勉強会でも活かされている。小嶋壽(こじま・たもつ)講演会などでは、それを噛み砕いて、そこまでオープンにするかというほど、説いて聞かせるようにしていますよ。パソコンで症例を見せる場合も、できるだけ今週の仕事、昨日の症例という具合に一番新しいケースを紹介するようにしている。今は写真データに日付も入るから表も裏もない。そうやっていると「あっ、また小嶋先生やり方が変わった」と気絶え間なく考え、自らの技術向上のために常に最短距離を模索し、学びを乞う者に惜しみなく与え続ける。そして、大小のスタディーグループが縦横の繋がりをフラットにして一堂に会する年に一度の「小嶋会」を楽しみにし、真面目な話の中にもウィットをはさみ、聞くものを退屈させない小嶋先生。素晴らしい医療の根管には味わい深い人間力が横たわっていました。

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