Dentalism No.11
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5ひと昔前「芸能人は歯が命」というCMが流行ったが、今や芸能人でなくても歯は命。自前の歯を健康に保っていれば、宇宙飛行士にだってなれちゃうかも。1958年アメリカ空軍のパイロットチーム「ダイダロス」のホークは凄腕の暴れん坊パイロット。相棒コービンの止めるのもきかず、曲乗りまがいの操縦で墜落させた最新鋭機も3機となり、怒りまくる上司のガーリンは、アメリカ初の宇宙飛行士を一匹のチンパンジーに決めてしまうのでした。宇宙への夢を絶たれた彼らに追い討ちをかけるように、NASAの誕生と共にダイダロスは閉鎖。そして40年の月日は流れ……ロシアの宇宙衛星アイコンが故障し、このままでは地球に墜落するという。しかし古過ぎる衛星のノウハウを持たないNASAは、コービンに修理の指導を依頼。自分の夢を砕いた憎っくきガーリンからの頼みに、コービンはかつての仲間であるホーク、ジュリー、タンクの3人と共に宇宙へ飛ぶことを条件に、この危険な任務を引き受けるのでした。いい年をした爺さんに何ができる、と、小馬鹿にするNASAの連中の前で、コービンはアイスティーの氷をガリガリ噛み砕いて自前の丈夫な歯を見せつけ、ついでに抜群の記憶力もアピール。目の検査では冷や汗をかいたものの、仲間の読む文字を暗記して窮地を逃れ、目より頭で勝負!「その年で宇宙に行くのは無理だ」と言うガーリンは、彼らに若者と同じ厳しい訓練を課すのですが、「若い奴には負けん!」という気骨と、「宇宙へ行きたい!」という強い意志で、苦しいテストを乗り越えた4人。  こうしてスペースシャトル・ダイダロスは4人と補佐役の若手二人を乗せて打ち上げられました。しかし米ソ冷戦時代に打ち上げられたアイコンは自己防衛装置を施され、6機の核弾頭を搭載。しかも突如崩れ始めたアイコンはダイダロスを直撃し、もはや絶体絶命! こうなったら地球に被害の及ばぬところでアイコンを自爆させるしかない! 自らの命をかけてアイコンを背負い、片道分の燃料と酸素で月に向かって一人飛立つホーク。コンピューターも故障し、燃料漏れを起こしたダイダロスを手動操縦に切り替え、地球への帰還を目指すチーム・ダイダロは、手に汗握る生還劇を見せてくれました。コービンと妻が二人で空を見上げるラストシーン。「ホークは無事に月まで行けたかしら……」月は黙って地球を見下ろしておりました……77歳のジョン・グレン氏が、史上最高齢でスペースシャトルに搭乗して話題になった直後に撮られたこの映画。いかに若者が体力と現代科学の知識に優れていようとも、老人には長年の経験と勘、最後に正しい選択が出来る知恵があるのだと教えてくれました。文/桂木良子歯科医は映画がお好き?スペース・カウボーイ 2000米 製作・監督・主演 クリント・イーストウッド 共演トミー・リー・ジョーンズ ドナルド・サザーランド ジェームズ・ガーナー イラスト/楮本恭子桂木良子/東京都出身。著書には、読んで美味しい映画のお話『シネマレストラン』がある。趣味は映画とスペイン語。コーヒーと犬が好き。宇宙飛行士も歯が命!

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