Dentalism No.11
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25ツヤのある歯とない歯の違いとは?落ちにくい「沈着汚れ」を解明。これまで詳細な研究が少なかった「歯のツヤ」に着目し、ツヤを低下させる原因の解明とツヤを引き出すための研究が、花王株式会社ヒューマンヘルスケア研究センターと解析科学研究所によって行われた。人の歯を解析したところ、ツヤのある歯の表面は平滑だったのに対し、ツヤのない歯の表面には数10 nm~数μmの凸凹が存在していた。つまり、歯の表面に存在する凸凹が光を乱反射し、歯のツヤを低下させる原因と考察。さらに、この凸凹は、無機物と有機物が混在した複雑な構造をしている沈着汚れの付着であることが分かった。また、沈着汚れの中の無機物はエナメル質よりも結晶性が低いヒドロキシアパタイトと非晶質のリン酸カルシウムであり、有機物は唾液由来と考えられているタンパク質を含有。この沈着汚れを除去する成分として、フィチン酸化合物とピロリン酸化合物がそれぞれ作用することが見いだされた。また、これらを含む歯磨きを使用することで、ブラッシングだけでは落ちにくい沈着汚れが落ちやすくなると確認。「歯のツヤ」を引き出すことで、歯の美しさの満足度が上がる人は少なくないはずだ。200m200m[1][1]沈着汚れの構造歯のツヤと表面形状観察歯周病がカンジダ菌で進行。高齢者や避難者は十分な口腔管理を。口の中の常在菌である真菌(かび)の一種、カンジダ菌が歯周病菌の歯肉への侵入を進行させるという実験結果を、奥羽大歯学部口腔病態解析制御学講座の玉井利代子(たまい・りよこ)准教授が発表した。本研究の論文は微生物学免疫学に関する国際的な学術雑誌『マイクロバイアルパソジェネシス』に掲載された。カンジダ菌は中高年になると検出される割合が増え、50代では約半数の人から検出されるという。玉井准教授は中高年がカンジダ菌の保有率や歯周病になる割合が高いことなどをふまえて、「カンジダ菌が口の中で発生した場合は、歯周病の原因菌である歯周病菌の働きが高まる」という仮説を立て、2年前より実験をスタート。シャーレで人の歯肉の細胞を培養、カンジダ菌と触れた細胞と触れていない細胞の歯周病菌を取り込む割合を比較した。結果、カンジダ菌と触れた細胞は、触れていない細胞の3倍、歯周病菌を取り込みやすいことを確認。歯周病がカンジダ菌で進行することを突き止めた。歯周病菌は歯周病だけでなく、動脈硬化などの原因の一つとも言われており、口の中を清潔に保つことはこれらの予防にもつながるといえる。歯磨きやうがい、入れ歯の手入れなどによって、歯周病や動脈硬化、ひいては心筋梗塞などのリスクを減らせるという、口腔内環境改善の重要性を再認識する結果である。東日本大震災から一年余り。原発事故で避難している人たちは、ストレスや疲れなどで抵抗力が落ち、とりわけ高齢者はカンジダ菌も活発になりやすい状況下にあるだろう。口の中の衛生状態の悪化が万病の引き金になることがあるため、十分なケアでの予防を呼びかけたい。奥羽大歯学部口腔病態解析制御学講座の玉井利代子准教授(付福島民友新聞朝刊掲載 ※掲載文とは若干異なります)3.00µmDentalismNews &Topics

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