Dentalism No.11
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23原発事故の内部被ばくに対応。子どもの脱落乳歯保存を推進。3・11福島第一原発事故後で大量の放射性物質が大気や海へ放出され、人体への直接的な影響と内部被ばくによる長期影響が懸念されている。現在のところその影響は未知数であるが、放射能ホットスポットの一つである千葉県松戸市から、脱落した乳歯を預かり、測定することで、体内被ばくの実態を調べようとする試みが始まっている。骨や歯に蓄積しやすい放射性物質にストロンチウム90があるが、その半減期は29年と長く、人体への影響はセシウムの300倍ともいわれている。内部被ばくにより、骨腫瘍や骨髄、血液機能障害(造血障害)などの難病を発症させやすいうえ、最近では発がん率とも深い関わりがあることも分かってきた。そこで、脱落乳歯に蓄積されたストロンチウム90を測定することによって、子どもへの影響をつかもうというのが、本取組である。さらに、脱落乳歯は長期保存が可能なので、数十年の調査、分析に役立つのだ。保育園や近隣の住民だけでなく、福島県浪江町より集団疎開されている方々の積極的な参加もある。原発が存続する限り、放射能が人体に及ぼす害については長期にわたる継続的な研究が必要である。脱落乳歯のストロンチウム測定によって人体への影響を実証できれば、保証を求める重要な根拠にもなり得る。もちろん、放射性物質が測定されなければそれに越したことはなく、住民の健康不安を和らげることができる。原発事故による内部被ばくから子どもたちを守るための、意味のある一歩を踏み出したと言えるのではないだろうか。脱落乳歯を保存する会 代表藤野健正先生(きょうどう歯科新八柱 院長 ☎047-711-5201)「脱落乳歯を保存する会」の動き脱落乳歯保存の進め方●子どもの抜けた乳歯を保存(規定容器に入れておく)●簡単な調査票に記入●保存した脱落乳歯のうち一本を提供●脱落乳歯を地域ごとに抽出し、ストロンチウムの被ばく検査を行う→地域・経過時間などを公表(個人情報の公表はなし)●被ばく乳歯があった地域に対しては全例調査を国に要求●大学や公的機関にその後の追跡調査を移管定期的な歯のクリーニングで心臓発作、脳卒中のリスク低下。定期的に歯科医院を訪れ歯石を取ってもらうと、心臓発作や脳卒中のリスクを下げる可能性があるとする研究結果が、昨年11月、米フロリダ州オーランドで開催されたアメリカ心臓協会(AHA)で発表された。台湾の台北栄民総医院の研究チームは、心臓発作または脳卒中の発症歴のない10万人以上を約7年間にわたり追跡調査。結果、少なくとも2年に1回以上歯石除去の処置を受けた人は心臓発作リスクが24%低く、脳卒中リスクは13%低かった。処置の頻度が2年に1回以下の人の場合でも、処置を受けていない人と比べると、どちらのリスクも目立って低くなった。論文の筆者である心臓病学研究員のズーイン・チェン氏は、歯石除去は口腔内のバクテリアを減らし慢性的な炎症を抑えると説明。炎症に伴い歯垢が血管の中に入ると、動脈硬化を引き起こして心臓発作や脳卒中につながるという。口腔内環境を衛生的に保つことの重要性を述べた。歯周病が心臓発作や脳卒中のリスクを高めるという別の調査報告はあるが、定期的な歯石除去が有効であることは今回の研究結果から初めて分かったとされている。一方で、歯石除去が、心臓や血管の機能をどのように改善するのかなど、さらなる研究が必要だとも。歯を美しくするだけでない歯石除去を含めた、口腔内環境を維持するための正しい方法を指導をしていく役割が、歯科医師側にはより強く求められるだろう。DentalismNews &Topics

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