Dentalism No.11
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17島本永秀1975年大阪府出身。大阪梅田の老舗バー『k4』にて修業後、渡仏しフランス国内の主要なワイン産地を巡る。西麻布『ザ・ジョージアンクラブ』にて8年勤務しシェフソムリエを6年勤める。その後、一つ星『オーベルジュ・ド・リル東京』、二つ星『ピエール・ガニエール東京』などを経て2009年より『ア・ニュ』で支配人を務める。支配人/ソムリエ(しまもと・ながひで)せる人も多い。オーナーシェフの下野氏は、珍しい素材や調理法も好奇心旺盛に取り入れ、素直に食材と向き合う。フランス語でア・ニュが意味する「ありのまま」とは一見、裏腹に感じられる素材への強い思い。「野菜は長野と石川から、香草や花は北海道から産直で取り寄せていて、日本であまり手に入らないハーブは作ってもらっています。魚は魚種が豊富な山口からも」ジビエなら、どんなふうに獲られたのか、どんな処理がなされたのか、何を食べていたのかまでに気を配り、素材の持ち味を最大限に引き出そうとする。「余計なことはしないです。ただ、火入れと、寝かせ方と、そういう素材のポイントを押えるだけ」 下野氏にとっての「ありのまま」とは、一期一会の心尽くし、その時にできる最高の料理でもてなすことなのだ。「まるで自分も料理に参加しているような気分でワクワクする」と裏地さんが言うように、自分の手で皿の上に配置するアミューズ。ここから『ア・ニュ』の料理は始まる。フォアグラのソテーとトリュフの下には、麦の原種と言われる南仏のスペルト小麦のリゾットがベーコンの泡の下に敷かれている。この独創的な器は、56年ぶりに女性として三つ星を獲得したフランスの料理人ピックとレイノーとのコラボレーションによって作られたもの。20種以上の食材が美しく散りばめられ、様々な食感と味が楽しめる一皿。ハウスシャンパンはアンリ・ジローのフランソワ・エマールのグランクリュ。エチケットは『ア・ニュ』のオリジナル。蝦夷鹿のモモ肉は2週間熟成させ、ローストして中心部分だけを取り出したもの。しっとりと柔らかく肉の旨味だけを凝縮した絶品。器はギリシャで作られているもの。

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