Dentalism No.11
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13ということです。――歯科業界には様々な課題がありますが、例えば私立の大学の定員割れの問題などについてはどのように捉えていらっしゃいますか?小沢 議連の中でも話題にはなっていますね。医療知識や医療技術を一定水準に保つためにも、歯科の過剰問題については問題意識を持って扱っていきたいですね。――TPP(環太平洋経済協定)への交渉参加に関する話題も、医療現場では関心が高いようですが。小沢 そうですね。TPPは農業根本の基本法、理念法がなかったのですが、この法案が成立したことにより病気になる前に予防をするだとか、早目に病気を見つけられるよう生涯に渡って隙間のない検診システムを構築するだとか、そういうことを推し進めていけるようになるわけです。小沢 高齢化社会における、高齢者に対する歯科医療、または障がい者に対する歯科医療などを充実させていくというようなことも、この基本法のもとで道筋をつけていくことができる。大久保 口腔と全身との関係についても研究を進めていって、歯科から国民の健康に大きく貢献していこうという法案ですからね。例えば、小さい頃は歯に関しては背景の違う様々な法律があります。母子保健法や児童福祉法、学校保健法などです。でも高校や大学を卒業し、社会に出た後は、歯科については何もないのです。労働安全衛生法の中には健康診断はあっても、歯科検診は含まれていない。また、保育園でも無認可の保育園では手当がされない可能性もありますが、そういったもの全てを網羅していこうというものです。――大久保先生は歯科医師としても、今後の議連の活動に一層熱が入りそうですね。大久保 そうですね、医科と連携して介護施設に歯科の専門家を入れていこうとか、あるいはNSTといわれる栄養サポートチームの中に歯科医師を位置付けて入れていこうとか、そういう具体的な政策を進めていくという段階に、議連の活動は入っていきますね。小沢 基本法ができましたから、それに基づいて、国も、地方自治体も、具体的な施策を推進していかなければならないし、我々政治家も精一杯バックアップしていく問題であり、金融問題であり、医療問題でもある。ただ、TPPについては、交渉に参加するかどうかを決めた段階で、まだ中身については何も始まっていない状況です。交渉過程の情報があまり開示されていないというのと、実際の議論に入っていないという両面があるのではないでしょうか。いずれにしても国民の皆さんに情報がいきわたった上で判断をしてもらうというのが、個人的には重要だと感じています。 交渉に参加するというのは、あってもいいけれど、日本の立場をどこまで世界に発信できるか、主張できるかが重要でしょうね。大久保 米韓のFTA(米韓自由貿易協定)などの中身を見ていると、日本の国民皆保険制度が崩れていくんじゃないかとか、危惧される声があるのは事実です。混合診療が解禁されると、どうしても公的な保険診療は縮小しますし、そこへアメリカなどの民間保険がどんどん入ってくるなんてことになると、医療提供側からの反発や、保険関係者の抵抗もあるでしょうしね。――歯科は診療報酬がプラス改定でしたが、まだまだ医科歯科では点数格差が大きいです。歯科の技術料はなぜ低いのでしょうか。小沢 僕の家内なんかは保存が専門なんですが、保存の治療なんていうのはいくらやっても点数が上がらない。大学病院だからいいんだけれども、保険点数については不満を言っていますね。大久保 初診・再診を含めて非常に低いですね。ドクターズ・フィーで、診断をすることを評価してもらえるような保険制度というものが必要でしょうね。病気にならないために、予防を手助けすることに対する評価です。歯科口腔保Prole 小沢鋭仁(おざわ・さきひと)1954年山梨県出身。1978年東京大学法学部卒業後、埼玉大学大学院政策科学研究科にて政策研究を行い政治学修士を取得。1981年東京銀行入行。1993年衆議院議員(山梨県全県区)初当選。鳩山内閣、菅内閣で環境大臣(第13代、14代)を歴任するなど数々の要職に就く。民主党山梨県連顧問。政策集団国家研会長。裁判官訴追委員会委員長。憲法審査会筆頭幹事。民主党歯科議員連盟会長。 「高齢者や障害者に対する歯科医療も 『歯科口腔保健法』のもとで道筋を」

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