Dentalism No.11
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9いやから金持ちではなかったけれど、「お前が行きたいなら行け」と言って応援してくれました。今の若い先生には卒後5年が勝負と言っています。それで全てが決まるといっても過言ではない。その間に努力研鑽できる診療室に務めないとね。あと技術だけではなくて、患者さんを思う心が大事。上村先生も「目配り、気配り、心配り」言うてましたけど、歯科は治療やメインテナンスを通して、患者さんのライフステージと付き合える。医療人としては技術プラス、人間関係も大切。コミュニケーションがうまくいかないと、治療もうまくいかないですからね。――品質目標に掲げられている「まずは雑談」という言葉が印象的です。対話を重視されているのですね。南 医局に張り出してあるアレね。年度ごとに目標を定めてるんです。ほかにも寺西邦彦先生から頂いた「歯科五段活用」も貼ってある。いつもコミュニケーションをとらないといけないので、うちのスタッフは常勤が基本です。インカムは12年ぐらい前から導入しているんですが、いろんな伝言が一瞬で教授にも師事していますが、今年もUCLAに勉強に伺う予定です。――上村先生のカミムラ歯科医院には、何年間在籍されたのですか。南 丸4年いました。2年目はお給料いただきましたが、月10万くらい。薄給でしたよ(笑) 最後の1年はコンサルテーションで月に500万円ぐらい契約をとっても給料は30万円以下でした。でもそれはそういう世界ですよ。技術を学ぼうとするならば、待遇や給料のことは考えてはいけない。うちの親は商売をしていたんですが、僕が大学を出るまでに家を売ってマンションに変わるぐら周知徹底できるし、患者さんがいらっしゃると全員がわかるし、待たせない。誰かが怒られてると、みんな怒られるし、忙しいと「誰かあいてへん?」っていう声もみんなが聞いている。ときどき「院長、どこですか?」って、いっぺんに5人ぐらいから声をかけられることもあるけどね(笑)――最後に、デンタリズムをご覧になっている、全国の歯科医師の方々にメッセージを。南 今は経済状況が悪くて歯科業界に限らず、みんなしんどい時だと思う。でも悪い時があれば、良い時もある。若い先生は地道に努力して基本を身に着け、勉強を続けて欲しいですし、患者さんというのは一口腔単位でトータルに診南 清和(みなみ・きよかず)1960年大阪府出身。1986 年城西歯科大学(現・明海大学)卒業。同年、上村恭弘先生に師事しカミムラ歯科医院勤務。1990 年新大阪にてミナミ歯科クリニック開業。本多正明先生、ヘンリー・H・タケイ教授、トーマス・バスター先生にも師事。1994 年医療法人健志会理事長。2011 年6月、特定非営利活動法人日本顎咬合学会理事長に就任。■医療法人 健志会 ミナミ歯科クリニック 大阪市淀川区西中島5丁目12-15  双葉ビル2階 ☎06-6885-8214 http://www.minami-dental.com/てくれる歯科医師を求めているので、全科目で平均的にレベルを上げていかなければいけないですね。口腔外科が90点あっても、修復や補綴、あるいは歯内療法が40点では良くないわけです。あとは、ブームにのらない。話題だから、流行りだからといって気になることを勉強するのではなくて、患者さんのために必要だから勉強するというのが大事。僕は平成2年に開業したんですが、その時は、好きな歯科治療を患者さんに提供できて、自分が納得し、患者さんに喜ばれれば、その日暮らしでも人生が充実するから、それでいいかなぁと思っていました。だから開業場所も家賃の安いところを選んだ(笑)診療のクオリティを落としたくなくて、最低でも患者さん一人に30分から1時間かけていたら、予約だけでいっぱいになって、7月に開業したのに12月には勤務医を雇うことになりました。今は、ここもビジネス街としては場末になりましたけど、きっちりしてると、患者さんが患者さんを紹介してくださります。インタビューを受けている間も、インカムでスタッフ間のやり取りを聞き、返事のないスタッフに「返事しぃ」とすかさず声をかける。スタッフを自らの弟や妹、子どものような存在と言い、医院を卒業したスタッフからも愛すべき師匠と尊敬される。この理想的な環境の中で提供される温かい治療こそが、患者から患者へと評判を繋ぐミナミ歯科クリニックの大きな力なのだ。創業20周年の節目に、スタッフから贈られた毛利達男さんの『名前の詩』。チェア3台で歯科医師一人。学校を卒業したばかりの新卒の技工士1人と、助手兼受付を担当していた衛生士2人。4名でスタートした医院も、今では本院・分院含めて45名の大所帯。開業当初からのスタッフは今も一緒に働いている。

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