Dentalism No.10
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17内科医と歯科医がタッグ。糖尿病と歯周病の連携治療へ。かねてより糖尿病の合併症の一つと言われる歯周病。石川県金沢市の医師会と歯科医師会が連携して、担当の内科医と歯科医が互いにデータを共有しながら治療する事業に取り組んでいる。いわゆる医科と歯科連携の一つのモデルとなり得る試みとして注目度も高い。金沢市では市内全域で歯科と内科の連携トライアルが進行中だ。選定エリアで「地域連携パス」という共通のデータ票を作成し、内科での診察結果や血液検査のデータ、処方薬などの内容と歯科医院での診療情報を、内科医と歯科医の両者が共有。初診から2ヵ月後、4ヵ月後、6ヵ月後でデータをとっていく予定だという。今回の金沢市の連携事業では、糖尿病患者で歯周病が確認された場合、また逆に歯周病患者で糖尿病が疑われる場合に、統一書式の「診療情報提供書」を使って、患者をスムーズに紹介し合う仕組みを整えた。患者の糖尿病や歯周病の状態、薬、血糖値などのデータを、内科医と歯科医の両者で共有できる。また、この連携事業の効果を実証するための調査によると、歯周病の症状である口内の炎症を抑えることで、血糖値を上げる要因となるインスリン抵抗性が低下したという結果が発表されている。「情報共有のためにはハード面の環境統一や誰がメッセンジャーとなって取り組むかなど、解決すべき課題も少なくないが、連携事業で糖尿病の早期発見にもつながる。両方の治療の大切さを医師と患者に知ってほしい」と語る、金沢市歯科医師会の加藤成俊会長。連携の広がりが期待される。社団法人 金沢市歯科医師会 会長加藤成俊先生 (かとう歯科院長)専門医と組んで口腔がんをトータル治療。歯科開業医との「病診連携」も。口の中にできる口腔がんは肺がんや胃がんなどと違って目に見えるため、初期症状を発見しやすいはず。しかし、自覚症状が少ないゆえ、進行するまで放置されてしまうことも多く、早期発見が少ないのが現状だ。そんな口腔がんの診断や治療にあたり、専門医のチームによるトータルな治療を実践、その実績に定評を持つのが日本大学歯学部付属歯科病院口腔外科である。口腔がんを取り除くためには、周辺の歯や歯茎、顎、頬など、腫瘍部分以外も含めて広く取り除く必要がある。放射線治療や化学療法が適用しにくい場合は、治療の柱は手術となり、発生する場所によっては高度な技術が求められるという。その際、各分野の専門医と連携しての治療が効果を発揮。同病院では、歯科インプラント科や、顎顔面補綴科、摂食機能療法科などとタッグを組み、治療に臨んでいる。副院長を兼務する大木秀郎教授は、「最近は、歯科医院で早期の口腔がんが見つかる患者が増えている。開業医で口腔がんかどうか迷うケースでも、病院ではさまざまな検査でがんの確定が可能。開業医と『病診連携』のネットワークを強化していきたい」と連携による効果的、効率的な医療体制づくりに力点をおいている。がんを見極めることは、患者のみならず、歯科開業医のスムーズな治療にもつながっていくはずだ。【口腔がん切除後の顎義歯による欠損の補填】日本大学歯学部口腔外科学教室第1講座大木秀郎教授(日本大学歯学部付属歯科病院 副院長)初診時口腔内顎義歯術後DentalismNews &Topics

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