Dentalism No.9
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26京都は嵐山。『星のや京都』への旅は渡月橋から始まる。専用の船着場から嵐峡の雄大な景色を望みつつ、渡し舟でゆっくりと大堰川を遡る。やがて目に入ってくるのは峡谷に沿うように建ち並ぶ風情溢れる宿の姿。川のせせらぎや鳥のさえずり、忘れかけていた風や木々の香りが懐かしさを運んでくる。京都の豪商、角倉了以家のライブラリー兼住居だったと伝えられているこの「水辺の私邸」は、明治時代には旅館となり、星野リゾートによってリノベーションされ、二〇〇九年に完全に生まれ変わった。築百年を越える建造物の外観はそのまま継承しつつも、内装は伝統と新しさが見事に融合する空間へとリフレッシュされた。『星のや軽井沢』に次ぐ二つ目の星のやブランドの誕生は、ホテルとも旅館とも異なるジャパニーズ・リゾートの形を鮮明にした。それを最も大きく印象付けるものの一つが、スタッフたちのホスピタリティだろう。日本人が皆、かつては備えていたはずの「間合い」がよいのだ。自然の息吹と静けさとの狭間で、感性や距離感が研ぎ澄まされていくのだろうか。ここ春は桜、夏は涼、秋は紅葉、冬は雪。千年の都が育んできた嵐峡の風雅。星のや京都Hoshinoya Kyotoダイニングやライブラリーラウンジと、各客室とを結ぶ「水の庭」。夜はライトアップされ幻想的な雰囲気が漂う。池に流れ落ちる滝の音はテラスに集う人々を心地よく包み込んでくれる。いつか訪れたい場所

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