Dentalism No.9
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8もかけ離れていては、我々自身がやっていけないし良質な治療ができない。だから政府に対してしっかりと歯科医療の大切さや、このままではいけないんだと言い続ける役割が日本歯科医師会にはある。清水 政府と政策協議をしていくというのは大変な重圧だと思いますし、日歯連盟の会長になられた頃も、日歯の会長になられた後も、大きな改革や決断を求められるようなことが多いと思うのですが、そういうプレッシャーの中で、大久保会長を支えているものは何なのでしょうか。大久保 性格的に楽な仕事はあんまりしたくない、というタイプなんですね。家内が一番私のことをわかっていて、いつも笑いながら言うんですが「あなた臆病なくせに、戦争になったらまっ先に飛び出して行って、打たれて死ぬタイプよね」ってね。理事会などでも議論して、どんどん意見が出た方が嬉しいですし、厳しい状況のときのほうが、それを乗り越えようとするエネルギーが湧いてくる。それを何が支えているのかというと、何だろう…、まぁ、割とのん気なんでしょうね。あと、好奇心が少しあるのかなぁ。こうやって、いろんな人と会うのも楽しいし、議論するのも楽しい。そういうことから逆にエネルギーを得ているのかもしれないです。清水 同感です。そう考えると、課題がやりがいに変わりますね。実際、歯科現場からの期待や要望は尽きないでしょうしね。僕なんかは歯医者から業者になり、いろんな不合理を感じています。ドイツの見本市IDSでも、日本から出ている業者のなんと少ないことか・・・。いろいろ話を聞いていると、やはり薬事の承認が遅く、通った頃には二世代ぐらい前のものになってしまうことがある。日本の歯科医師のレベルが上がることも必要だけれども、そのためにも材料や技術の向上、制度の見直しについても平行してやっていかなければならないと思います。なんとか改善できないものでしょうかね。例えば、細かな決め事にしても、クラス1の小さなダイヤモンドバーのようなものの添付文書にしても、A4の四つ折の添付文書を毎回入れなければならない。今までは添付文書の請求を促すシールだけでよかったものが、毎回、毎回、大きな添付文書をつけなければならないというのは、コストもかかるし、ゴミも出るしエコでもないし最終的には先生方に不利益になります。歯科医や業者一人ひとりの声は小さいかもしれませんが、ぜひ、その声を届けていただきたいですね。大久保 役人に言わせると何かトラブルが起こった時に、ちゃんと担保するものがなければいけない、という話なんですが、民間企業がきちんと責任持ってやれることは、ある程度は任せたほうがいい。しかし、そうは言っても野放しにしていいということでもない。極めてバランス感覚が必要なところだと思いますが、民間の努力がうまくいかないようなことは、少しずつ緩めていかなければならないでしょうね。清水 金パラなども今は凄く高いですが、そもそも投機の対象となるようなものが材料として指定されているのもきつい話です。国から支給してもらえないだろうかと言う先生もいるほどです。大久保 僕が会長に就任したのが平成十八年度改定で歯科が一番ひどかった時なんですね。その改定が施行される四月一日から会長に就任したのですが、そのときに、なぜ歯科医療費がこんなにも伸びないのか、二兆五千億円から変わらないのか、分析していって最初にたどり着いたのが、実は今のことと少し関係があるのです。医科は平成十八年度に保険採用について中医協に出した要求が四百八十項目ぐらい。新技術、新検査、新素材の申請をして、そのうちの一割ぐらいが保険収載になっているわけですよ。我々の内輪の言葉で言えばそのことが医療費を増やすということになるわけですが、同時に新しい素材、新しい技術を提供することによって、患者さんにとっても安心・安全な医「材料や技術の向上、スピードアップも重要」制度の見直しや薬事承認のProle 清水清人(しみず・きよと)1960年石川県出身。1985年岐阜歯科大学を卒業。金沢・まめだ歯科医院、ひがし歯科医院を経て、1987年26歳で歯科医院を開業。2000年には株式会社歯愛メディカルを設立し、歯科医師としての目線を活かした歯科医院向け通信販売Ciメディカルを立ち上げる。

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