Dentalism No.8
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 歯科医の先生方の趣味は多種多彩。子供の頃に診てもらったS先生は写真だったし、近所のM先生は診察の合間にプラモデル作り。友人のK医師はカラオケだ。海岸通りの開業医、シャーマン先生の趣味はスキューバダイビング。これが小さな魚の親子に大冒険をさせることになろうとは… 青い青い海の底。美しい珊瑚礁に住むカクレクマノミのマーリン夫妻は、2日後の子供たちの誕生を楽しみにしているところをオニカマスに襲われ、マーリンが気づいた時には最愛の妻と400個の卵の姿はどこにもありませんでした。悲しみに打ちのめされながらも、奇跡的に一つだけ残った卵にニモと名づけたマーリンは、命を懸けて守ることを誓うのでした。 片方のヒレが小さく生まれたニモでしたが、それを「幸運のヒレ」と呼ぶマーリンの愛に包まれてすくすくと育ち、やがて学校へ行く日を迎えました。心配で校外学習について来たパパに勇気を示そうと、ボートに近づいたニモはダイバーに捕らえられ連れて行かれてしまいました。「ニモ! ニモ~ッ!」必死で後を追うマーリン。 ボートの行方を知っているというナンヨウハギのドリーと出会ったマーリンは一緒に後を追うのですが、ドリーが数分前のことも忘れてしまう極度の健忘症だったために、凶暴な鮫トリオに襲われて爆弾の林を潜り抜けたり、巨大クラゲの群れに刺されたりと危機また危機の連続。しかし「信じあうのが友達よ」と言うドリーのおかげで、ダイバーが落とした「ワラビー通り、P・シャーマン」と書かれたゴーグルを手に入れ、 一路シドニーを目指すのでした。 その頃ニモはシャーマン歯科の水槽の中。水槽軍団のリーダー格ギルから脱走計画を持ちかけられていました。その作戦とは、浄水ファンに小石を詰まらせ水槽を汚して掃除させる。その間ビニール袋に入れられたら中で泳いで袋を転がし窓から外へ、そして通りを渡って海へ飛び込むというわけ。 マーリンは150歳の海亀クラッシュの協力でようやくシドニーへ。小さな父親が命がけで息子を探す話はまたたく間に海の仲間に伝わり、ペリカンのナイジェルによってニモにも伝えられました。「パパが来てくれる!」勇気百倍のニモ。 鯨の潮吹きを利用して湾内に入り、ナイジェルの口で運ばれてマーリンはようやくニモの元へたどり着きました。シャーマン先生の8歳の姪ダーラへの誕生日プレゼントにされるためビニール袋に入れられたニモは皆の助けで袋を破り、うがい用の排水口から下水パイプを通って海へ。父と子は涙の再会を果たすのでした。 「あの子に何も起きないように守ると妻に約束したんだ」と言うマーリンに「何も起きなきゃ人生つまらないわ」と言うドリー。ニモはまた元気に学校へ通い、水槽軍団も全員脱出に成功しました。 観ているつもりが見られてる?水槽軍団の趣味は治療の観察。「シルダー療法ね」とか「抜歯後の歯根膜は?」等々、かなりシビア。熱帯魚を飼っている先生方はくれぐれもご用心!?桂木良子/東京都出身。著書には、読んで美味しい映画のお話『シネマレストラン』がある。趣味は映画とスペイン語。コーヒーと犬が好き。「ファインディング・ニモ」 2003年 ディズニー&ピクサー アカデミー賞長編アニメ賞受賞Dentalism Cinema海よりも深い父の愛!イラスト/楮本恭子文/桂木良子歯科医は映画がお好き?

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